2018年4月 1日 (日)

酒見賢一『泣き虫弱虫諸葛孔明 第伍部』

Yowakoumei05 酒見賢一『泣き虫弱虫諸葛孔明 第伍部』(文藝春秋)を読みました。
 前に紹介している小説の最終巻です。2年7ヶ月ぶりに、2017年6月に刊行された。

 おもしろかった。けど辛い。孔明が奮闘するも、(自分の任命責任も有って)結果を出せなかった北伐(「負けるのがよし」とは著者)。関羽・張飛らの子が登場しキラリと光るも、いずれも早逝(趙雲の子は描かれず)。司馬懿に対抗し得る人材を残せず、孔明の死から29年後に滅びてしまう蜀……(魏・呉もだけど)。
 章立ては、「孔明、泣いて南方を窺う」から「竟(つい)に進んで、五丈原にきわまる」まで。4割弱が、「南方平定」について。残りが、孔明の死までの北伐。南方に分量を割き過ぎの気もするが、それもエキゾチック(?)で面白い。

 (劉邦や)劉備の「兵」についての不思議を、本巻の冒頭付近で述べる著者。放浪ごろつき集団から、成り上がって領地を得るまでの間。恩賞も守るべき土地も無いのに、なにゆえ寡兵でき且つ従わせることが出来たのか。いくら親分に「魔性の魅力」が有っても、兵の末端まで伝わるべくも無いのにと……。

 劉備の遺言で、蜀の全権を(実質)託された孔明。関羽の仇討ちにと、劉備が最後に戦い敗れた呉。その呉と、大国の魏に伍すため関係を修復。北伐──魏と戦う前に、異民族の反乱など後顧の憂いを絶つため南方平定に乗り出す。
 何ヶ月もかけ、とうとう南方の親分──族長の中の族長みたいな──を屈服させる孔明。決して親分を殺さず、何度も逃がし勝てないと心を折ることにより。
 そうして、満を持しての北伐。だが要地を任せた馬謖が、ことごとくしくじり──とも言い切れず相手が悪かったらしいが──他では優勢なるも敗退。後に趙雲も死亡。老いて尚、南方平定および北伐の初期で活躍していたのだが……。
 過去の失敗を鑑み、補給に万全を期した──はずだった第4次(?)北伐。しかし補給の大元を任せた旧/重臣の李平(李厳)が、孔明への嫉妬でサボタージュ。優勢なるも、やむなく撤退。その3年後。体調が悪化し、いよいよ死期を悟った孔明。それでもなお、第5次──自身最後の北伐へと出るのだが……。

# 孔明の死後、軍師車に置かれた木像(生前の指示で、生けるを装う為)。その故事は、小1で読んだ学習百科事典(国内外の偉人(神話を含む)の巻)で知りました。「泣いて馬謖を斬る」は、もっと後に知った言葉。いずれにしろ、『三國志』に特に興味を抱くことは無かったけど(笑)。

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2018年3月11日 (日)

宇野常寛『母性のディストピア』

Maternaldystopia 宇野常寛『母性のディストピア』(集英社)を読みました。
 前に紹介している「評論家」の、3冊目(?)のハードカヴァー個人著書です。2017年10月に出た、2冊目『リトル・ピープルの時代』以来6年以上ぶりの。

【特別寄稿】宇野常寛「あなたはなぜ『母性のディストピア』を読むべきか」  PLANETS/第二次惑星開発委員会

 『鉄腕アトム』より後の日本アニメ作り手の代表──と宇野さんが内容面から(?)考える、宮崎駿・冨野由悠季・押井守の3氏。その人選は、作品に時代に応じた現実に対する問題意識の積み重ねが見て取れるから(ゆえに、高畑勲・出崎統らはオミット?)。庵野秀明さんの扱いは、3氏に比べて少量。『シン・ゴジラ』は肯定的に評価するも──3氏の問題意識の先に達したと、基本的には二次創作を能くする非オリジネイターであるからとして。

 「「母」の膝の上で「父」になる夢を見つづけていた」戦後の日本国民。肥大した母性の下、バブル景気までは「ネオテニー(幼形成熟)・ジャパン」として消費社会を謳歌。そんな奇形的に発展した日本社会において、それぞれ問題意識をもってあたっていた上記3氏。映像(映画・TV)の20世紀には(内容的に)活躍したが、だが情報ネットワークの21世紀に入ってからは……。
 宮崎さんは、『もののけ姫』で明確に「漫画映画」的な快楽を“内容面で”放棄したと。以降「世界に対する肯定性の不在」を、従来からの「漫画映画」的アニメーション技術をもって描いていると。兵器大好き(?)でありながら、マチズモのある一線を越えてこなかった──マチズモが皆無ではない──宮崎さん。その高潔なモラル(?)を保ったまま、テクノロジー懐疑の常識論に陥ってしまったと……。
 冨野さんは、「母性のディストピア」で破滅する男性(と世界?)を描いてきたと。その典型が、シャアであると。架空年代記の宇宙世紀から、「データベース化した歴史と二次創作的に戯れる」黒歴史へ。現代の高度情報化社会を予見し(?)可能性として提示したニュータイプ概念を、限定的エスパーの如きに後に自ら貶めた冨野さん。最早、架空世界において望ましい態度(?)──人の正しい振る舞いを説いてる場合じゃないとばかりに……。
 押井さんは、『イノセンス』で「自己完結的なユートピア」を提示。『パトレイバー』劇場版2作で、TVの向こう側の(?)戦場を可視化せんとした押井さん。しかし21世紀に入って、現実の戦場はTVの向こう側ではなく「いま、ここ」にテロリズムとして可視化。「自己完結的なユートピア」は他を犯さないモラルであって、「いま、ここ」の戦場に対応する手段ではなく……。

 現実の政治・社会に直接は言及せず、にも拘らず──それゆえに批判力を持ち得た戦後の日本アニメ。そんな効能(?)も、情報ネットワークの世紀になってからは失効。『攻殻機動隊』の前口上(ネットワーク云々)以上に、社会の分断をアイロニカルに感じるが如く。2016年の三大アニメ映画(『君の名は。』『聲の形』『この世界の片隅に』)も、上記3氏の先は走りつつも新たな問題意識にまでは至っていないと。
 そして、庵野秀明さん。と言うか『シン・ゴジラ』。古き良き(?)オタクの第一人者たる庵野さん。そんなオタクたちは、かつてリアル・ポリティクスとの親和性が高かったと。世界を物語(イデオロギー)で捉えず、情報の集積(データベース)として見ていた人々。それゆえ、兵器もポルノも反戦も同列の関心たり得たと(フェミニスト(≒反マッチョ)は、反ポルノ(≠エロス)&兵器かしら?)。個々のキャラクターを背景に下がらせ、そんなオタク的リアル・ポリティクス(≒石破茂?)的フィクションを描いたのが『シン・ゴジラ』であると。

 Googleの“肯定的”影響力が代表する「カリフォルニアン・イデオロギー」。自由で平等な「境界の無い世界」を唱導し、プラットフォームを構築。それを用い、軽々と国境を越える人々。それを宇野さんは、基本的には正しいと肯定。反動的に自閉する、反グローバリズム云々を否定して。しかし正しい「カリフォルニアン・イデオロギー」が、新たな壁を再生産していると指摘。プラットフォーマーとして優位に立つアメリカと、そうではない国々。アメリカ国内でも、軽々と越境でき得る意思と能力(と金)を持つ人と持たざる人(ラストベルト労働者など?)。それ“も”受け宇野さんは、「中間のもの」について言及しますが……。

# 押井さんの販売アニメ『御先祖様万々歳!』(1989~1990年)って、まったく知りませんでした(実写映画『Talking Head』(1992年)も)。あと、南果歩さん主演(!)舞台版『鉄人28号』(2009年)も(笑)。

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2017年11月26日 (日)

佐藤大輔『宇宙軍陸戦隊 地球連邦の興亡』

Cosmiccommand 佐藤大輔『宇宙軍陸戦隊 地球連邦の興亡』(中公文庫)を読みました。
 前に紹介した作家の、遺作3作の内の1冊です。『地球連邦の興亡』の2015年初出スピンオフ短編「救難任務/泥森の罠」(30ページ弱)を長編化した表題作(200ページ強)と、書き下ろしスピンオフ短編「攻撃目標G」(20ページ強)を収録した。

 表題作の基になった短編(および加筆修正された本編)は、所持するも読んでいません。旧版本編と本作の違いは、確か皆無であったAIやドローンの描写。これは、オリジナル新作『帝国宇宙軍』でも同様(だけど戦闘描写は皆無)。ストーリーは、現在の積極介入に方針転換した国連PKOを露悪化し感じ。「人類の敵」と現場で判断された場合──その場のAI判定および自動記録や入隊時の部分的(?)洗脳により指揮官の恣意/感情的独断を防ごうと講じている──、基本は放任の各星系内戦に直接介入し得る。
 「攻撃目標G」は、おそらく『シン・ゴジラ』の戯画化。ポジティヴ・リスト式の法令遵守──ことなかれ主義により、想定外の緊急事態に対応できない(ダメな部類の)日系星系の政府・官僚組織を揶揄する。

 『地球連邦の興亡』は、アニメ『マクロス』を露悪化したが如き設定。21世紀半ば。異星人の来襲<接触戦争>と、オーヴァー・テクノロジーの奪取(ワープ“手段”は別途)。続いて生じた、人類を二分する内戦。後の地球連邦の中核となる日米英3国(+TPP諸国など?)が、新興ユーラシア大国(中国・インド)を盟主とする国連諸国を蒸散せしめる。互いに核をも用いて。連邦成立後、太陽系内および他星系への植民を開始する人類。
 22世紀後半。<接触戦争>時とは別の異星人(の最有力「氏族」)との争いが、<第一次オリオン大戦>へと発展。以後25年に渡り膨大な人/物的資源を、休戦成立までに費消。本編は休戦数ヶ月前に始まり、大戦後の人類領域を主として描く。
 旧版本編は、1997年2月が初出。作中で「だれもが予想していた」と記述にある通り、イギリスEU離脱の予想は正解。しかしロシアを、グローバルな影響力を失ったと予想。プーチン首相の誕生(1999年。翌年に大統領就任)前で、まあ仕方ないかしら。中国に関しては新興国のリーダーとしながらも、現在の政治/経済的興隆をやはり予想してなかったと思しい。

「宇宙軍陸戦隊」
 22世紀半ば(?)の大戦勃発前。ある植民星系の惑星で、星系および連邦に対して救助要請が為された。ある学術研究隊が、惑星内戦の思わぬ展開により隊員1名を残して脱出。その1名の救出と、星系政府の範疇である内戦に留まらない様相を呈している旨で連邦の介入を要請して。それを受け、たまたま近傍を通過予定であった連邦軍駆逐艦から対応部隊を供出。臨時編成の陸戦隊が、輸送艇で惑星に降下。分隊長を務める大尉は、後に大戦後半で連邦首相となる日本人(地球育ち)男性であった。
 あらっぽい惑星改造が為されてから70年。その惑星は、陸地の大部分(?)が泥濘に覆われていた。そこで相争うは、ドイツ系(?)植民者ALH(正当人類連合)とFHP(自由生態党)。FHPは「ジェネミキサー(遺伝子弄り)」とも蔑称(?)され、多種多様な遺伝子改造・使い捨て兵士の無制限クローン生成を実行。党名に相応しく(?)、(遺伝子改造の影響を受けた)本能の開放による優勝劣敗(?)を唱えて。一方で主義的に(?)数的劣勢となるALHはFHPを人類と見なさず、連邦市民に限らず人類に適用される「連邦基本法」の対象外と解釈。害獣駆除の論理で、FHPに対応。辺鄙な惑星における互いの好き勝手──星系政府も見ないふりをしていた?──が、偶然が重なり余所者に知られることに。
 陸戦隊の出現により、内戦の様相も変化。ALH・FHP両者ともに後ろ暗いところ──星系の(内戦を含む)自治権を超える──があり、連邦の介入を嫌うゆえに。陸戦隊は、被救助者1名を保護。投入したマイクロ衛星や航空/地上ドローンで、両勢力の情報を収集。分隊長による、両勢力への接触。それらを統合し、最終判断を下す分隊長。宇宙植民時代となり、物理的に上官の直接指示を仰げない──報告と命令の往還を待っていられない状況。そんな時の為の「一般待機命令」。現場の(待機する輸送艇を含む)最上位指揮官として──駆逐艦ともリアルタイム通信できない──、それを下令し内戦への介入を始める。全人類のため、“人類の敵”を排除するために……。

「攻撃目標G」
 22世紀後半の大戦勃発後5年。ある日系植民星系の惑星で、全長80mほどの怪物が突如として海から出現。海上被害を出し、上陸を許した星系政府。大戦中の動員により星系戦力に乏しいにしても、日本国の悪しき伝統を引き継いだ(?)事なかれ主義が、陸上避難以外の対策をしかねていた。想定外の非常事態に、対応によって生ずる結果への責めを恐れて。放置による、被害の拡大以上に。
 そこで星系政府首相により、非公式に寄せられた駐在連邦軍人への応援要請。白羽の矢が立つ、日系の連邦軍大佐(休戦時、宇宙統合艦隊司令官で大将)。少し前、当該星系で行方不明の敵艦を発見。それを受け昇進したばかりに、軽巡宙艦の艦長職を解かれ暇をかこっていた。
 当該惑星の、緊急事態対策センター(地下200m)に乗り込む大佐。肝心の首相は不在で、保身のみをはかる官僚たちは要領を得ない。無責任かつ不毛な会話記録の事後公開を告げ、大佐は連邦基本法を根拠とする──連邦市民保護の為の介入を宣言して……。
 ちなみに作中時、「宇宙軍陸戦隊」の分隊長は中将だったそう。しかし非常に稀有な一般待機命令発動により大将への昇進は難しく、妻(ドイツ系)の縁で政界への転身が噂されていたと……。

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2017年10月22日 (日)

佐藤大輔『帝国宇宙軍1』

Empireofdawn 佐藤大輔『帝国宇宙軍1』(ハヤカワ文庫JA)を読みました。「新シリーズ初巻にして最終巻」である。

 2017年3月に、53歳目前で没した著者。彼の小説は、かつて『地球連邦の興亡』新書版4冊を読んだだけ(没後、加筆した文庫版4冊&スピンオフ『宇宙軍陸戦隊』を購入)。他には、原作を担当されたゾンビ漫画『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』のTVアニメ版を観たぐらい(透過光が眩しかった……)。

 おもしろい。でも、ついに戦闘が“始まりそう”と言う場面で終わり。入念にセットアップして、いよいよこれからってところで……。
 『銀河英雄伝説』への諧謔を感じさせる、本作の銀河帝国。加えて、ヤン・ウェンリーへの諧謔を思わせる日系の帝国軍人(大尉スタート)。建国700年超ながら実戦経験に乏しい軍にして、戦わずに──事故的に攻撃されたが──英雄視される(笑)。
 描かれる状況は、尖閣や南沙諸島の戯画。現実に足し引きし、だから現実ではこうすべしとは理解/曲解されにくい(?)筋書き。加えて、やはり戯画化した政治体制のヴァリエーション。
 兵器を含むSF要素に、突出したアイディアは無し(ワープは違うかも)。操艦や艤装など現実をなぞりつつの拡張は、リアリティ充分だけど。それらが淡泊だった、『銀英伝』と違って(笑)。

 帝国暦726年(西暦2837年)。帝国軍コルベット艦が、HUL(ヘレネス統一体)が実効支配する宙域で攻撃(対宙レールガン?)を受けた。近距離に居たHUL駆逐艦の、システム不具合による誤射により。元々は帝国の領宙だが、さしたる意味は無かった宙域。だがHULが不意を衝いて基地を建設して以来、互いの軍が控えめに示威し合う場となっていた。艦内も被害を受け、艦長は即死(?)。自動的に指揮権を移譲された、先任将校(副長)の天城大尉。事を荒立てんと、彼は艦の帰還を命ずる。攻撃してきたHUL艦からの、「人道的」救助の申し出を断って……。
 西暦22世紀初頭。前世紀に発見された(?)、いわゆるワープ航法。それを用い、同時期に太陽系を出た複数の「文明疎開団」(喫緊の、地球滅亡の危機だったわけではない)。だがワープ技術が確立されておらず──もちろん無人機で試験していたが──、銀河系ともどことも知れない星域にワープしてしまった。目的地とは違う場所で、地球の場所も分からず帰還は不可能。だが何故か、複数の疎開団が“比較的近く”の星系にワープしていた。それぞれの疎開団が、入植地を定め国家へと成長。その最大勢力たる銀河帝国──そこが天の川銀河かも分からないのに(笑)──を含め、現在5つの勢力が近傍の人類領域を構成していた。
 冗談の如き経緯で、皇帝を擁し設立された銀河帝国。議会は無いが、技術と長寿命化(帝国では250歳超)により実現された国民投票(帝国臣民決議)──直接民主制の如き政治参加。それにより専制に走れ得ない、皇帝(ほぼ象徴)および為政者たち。そんな比較的ゆるやかな統治ながら、理想や主義に走った近傍他国家よりも繁栄を得ていた。古代ギリシアに則を求めた、HULなどと比べて。
 比較的のん気ながら、排外的な意見も無くは無い帝国。世論を鑑み、しっぽを巻いて逃げた(ように見える)天城に下る懲罰的人事。その徴募局で入隊勧誘に励むも、かねてから希望の予備役編入を願い出る彼。だが意に反し、少佐への昇進と駆逐艦艦長への任命を受ける。
 120年前に建造され、80年休眠中だった駆逐艦。主エンジンを始め、武装から外装から近代化改修を施される艦。お下がり品も多く、それら重要パーツに付いた癖を補正するため、入念に繰り返される試験。配備前の最終訓練(?)のため、単艦おもむいた宙域。そこには、やはり世論を鑑み領宙拡張を目論むHUL軍が暗躍していて……。

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2016年10月20日 (木)

鈴木邦男『〈愛国心〉に気をつけろ!』

Aikokushinnikiwo 鈴木邦男『〈愛国心〉に気をつけろ!』(岩波ブックレット)を読みました。
 前に紹介している作家の薄い本(笑)です。約70ページの。

 おおむね、いつもの意見どおりの鈴木さん。声高に他人に押し付ける「愛国心」は本物ではなく、逆に国を汚すとなると言う。
 そんな入門的な薄い冊子ながらも、下記の記述などが気になりました。

●恐らくは日本会議の中枢メンバーを、「僕の学生時代の仲間たち」と言及
 鈴木さんや現「生長の家」とは反対の立場で、改憲を“領導”しているらしい。
●かつて著者が居た「生長の家」学生道場(寮)は、道場長が軍艦の艦長だった人だそう。
●1960年代、「明治憲法復元」運動が有ったそう。
●小林節さんの改憲案(1992年)
 近年も話題の小林さん。かつての改憲案では、元号の廃止や「君が代」に代わる国家の制定、天皇の男子限定の廃止を唱えていたそうな。
●日韓が仲が良すぎた1980年代
 赤尾敏さんが(日韓友好のための)竹島爆破をうそぶいた同時代、1985年に訪韓した鈴木さんら右翼人は、政・軍の要人らに大歓迎されたんだと。
●三島由紀夫の改憲案
 徴兵制の否定や、女帝を肯定したんだと。
●三島の自衛隊への憂い
 「魂の死んだ武器庫」になり「アメリカの傭兵」と化すと、その行く末を憂いていたそうな。

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2016年7月 7日 (木)

酒見賢一『泣き虫弱虫諸葛孔明 第四部』

Yowakoumei04 酒見賢一『泣き虫弱虫諸葛孔明 第四部』(文藝春秋)を読みました。
 前に紹介している小説の最新巻です。2年4ヶ月ぶりに、2014年11月に刊行された。

 あい変らず面白くも、切なさ炸裂(?)の本巻。帯にある通り、関羽・曹操・張飛・劉備ら主要人物が次々と死んでゆく……(ほう統・魯粛・黄忠らも)。
 章立ては、「“鳳雛”劉備軍に入団す」から「劉玄徳、白帝城に崩れ、孔明、おおいに泣く」まで。劉備が蜀(益州)を取り三国時代となるも荊州を失い、義兄弟3人いずれも半ば自業自得で退場してしまう……。

 創作だろうけど、黄氏(孔明の夫人)と孫氏(劉備の夫人)が「姉妹のように仲良く」なる息抜き(?)が微笑ましかった。孫氏は少しして、兄である呉の孫権の策略で荊州に居られなくなるけど。
 関羽の死に際し、後世の(文字どおり)神格化についての記述が2ページ半ほど。かつて著者が、中国エッセイ本(?)『中国雑話 中国的思想』で詳らかに書いてますけど。

 蜀を取り、(魏の曹操が死んで息子の)曹丕が皇帝となったことを受け、自らも皇帝を宣した劉備。それに伴い孔明は丞相(宰相の如き?)となり、名実ともに一国のナンバー2に。それから2年ほどで劉備が死に、望まぬ(?)実質ナンバー1になってしまう。
 しかし劉備軍の英雄たち(や武将や一般兵多数)が死んでしまい──趙雲を除いて──、果たして蜀は生き残れるのか……。

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2016年4月10日 (日)

月山了衛『機龍警察』シリーズ第1~3弾

 月山了衛『機龍警察』シリーズ第1~3弾(早川書房)を読みました。知人にお借りして。

 リアルな(?)警察小説をベースに、パワードスーツ(の如き)・歩兵戦闘・政治(省庁内/外・国内)・外交・テロル等でデコレーションした作品かしら。ミステリー要素は別として、読者のベタな期待を裏切らない展開の。あるいは、『ワイルド7』へのオマージュとも思われる(ボスの裏切りが有るのか?)。
 架空メカである機甲兵装は、パワードスーツの如きもの。ボトムズの如き乗り込んで操縦するものから始まり(?)、主役たちがボディ各パーツをはめ込んで着る如き最少3mサイズの「龍機兵(ドラグーン)」にまで進化している。コンセプトや作中の扱いとしては、『ガサラキ』のTA等から伝奇要素を除いた感じを思わせる(謎めいた龍機兵は除く)。

Policedragoonシリーズ第1弾『機龍警察』
 架空の警視庁特捜部──他称「機龍警察(ポリス・ドラグーン)」の、(作品としての)お披露目を描いた本作。機甲兵装を用いた国内犯罪に対して、外国人を含む傭兵・元犯罪者(経歴は白)たち3人を「突入要員」──龍機兵の装着者として雇った組織の。
 突入要員3人の中で比較的フィーチャーされたのは、人種(?)と国籍“は”日本の姿俊之(30代男性)。シリーズ第1弾ゆえ(?)、続く2作の残り二人ほどの掘り下げは無い。
 その筋では有名な、超一流の傭兵であるらしい姿。でも私は、元モスクワ刑事ユーリ・オズノフの方がチャーミングだと感じました。分かりやすく鬱屈していているところが(笑)。

Policedragoon2シリーズ第2弾『機龍警察 自爆条項』
 北アイルランド出身の、ライザ・ラードナー(20代女性)をフィーチャーした本作。元々は北アイルランド独立テロル組織の「殺し屋」で、オズノフと違って内面の葛藤を窺わせない無表情・寡黙な。架空の旅行記が登場し、ベタな内容ながらもほっこりする(元殺し屋にも)。
 また本作からの背景描写として、チャイナを悪く描き過ぎかなーと。かつてのスパイ小説の、CIA・KGB・MI6・モサドの如き便利さゆえかも知らんけど……。

Policedragoon3シリーズ第3弾『機龍警察 暗黒市場』
 ロシア人ユーリ・オズノフ(30代男性)をフィーチャーした本作。刑事でありながら殺人容疑者に仕立て上げられ、国外逃亡しアジア裏社会で犯罪に関わっていた(主に機甲兵装つかいとして?)。
 ベタながらも、緊急装着・強制脱着や手錠のシーンは燃えるねぇ(笑)。

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2016年2月 1日 (月)

朝日新聞出版×PLANETS 文化時評アーカイブス 2014-2015

Archives20142015 「朝日新聞出版×PLANETS 文化時評アーカイブス 2014-2015」(朝日新聞出版)を読みました。
 前に紹介している文化批評同人誌「PLANETS」人脈の、“主に”MMやニコニコ動画(全体の過半が前者)などPLANETS発信ネット媒体、月刊誌「サイゾー」や他雑誌に掲載された座談・インタヴュー、および新たな座談・インタヴューなどを収録した冊子です。

 やはり、あまり得るものが無かったかしら。TVドラマ、次いでアイドルへの言及が多くて……(重視度は後者かしら?「(アイドルの)現場」って)。

 「ガンダムが好きな10代の若者に会ったことがない」──『ビルドファイターズ』も含めて──と、日本放送アナウンサー吉田尚記さん。宇野さんは『Gのレコンギスタ』を、従来の冨野作品と比べてハイカルチャー的になってしまった──オープンネスが減じたと。また、「ガンダムが団塊ジュニアにとって司馬遼太郎のような」存在になってしまったと。
 別の対談では、『UC』の幻のニュータイプ条文を「完全な優生思想でしょう」と指摘する宇野さん。

 kz(livetune)さんへの音楽インタヴューは、ご本人と作品(「Tell Your World」他)をほとんど知らないけど面白かった。ボーカロイド音楽などで作品そのものに隙がある場合、バックボーンの無さ(≒ボーカロイドPではない)を「音楽史的参照点がない」と非難されるのだろう旨(「リスペクトが無い!」とか?)。EDMとポップ音楽との親和性は、海外に比べて日本は低く感じる旨(是非は無い)など。

 最後の吉田さんとの対談では、宇野さんが「今ネットは、うちに籠もるためのものじゃない。むしろリアルと結託しすぎていることのほうが問題なんですよ」と。「インターネットが結局、下からの全体主義が跋扈して何も生めない場所になってしまった」とも。
 なんだかスマートフォンのマナー問題みたいな話で、濱野智史さんと以前していたアーキテクトの再設計(ネット投票など?)云々よりも萎えちゃうけど……(笑)。

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2015年10月22日 (木)

2015年ノーベル文学賞

 2015年ノーベル文学賞の受賞者の著作──スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』を、わたし読んでました。すぐには気づかず、発表1週間後ぐらいに新聞の著作リストを見て分かったんですけど(笑)。
 当時はAmazonリコメンドを有効にしていて、その最大の恩恵が本書だったかも。他の著作も読みたいと書いたものの、やっぱり読まなかったけどね(笑)。

# と言うか、本を1年8か月以上も読んでない……。

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2014年7月17日 (木)

別冊サイゾー×PLANETS 文化時評アーカイブス 2013-2014

Archives20132014 「別冊サイゾー×PLANETS 文化時評アーカイブス 2013-2014」(サイゾー)を読みました。
 前に紹介している文化批評同人誌「PLANETS」人脈の、“主に”月刊誌「サイゾー」や他雑誌に掲載された座談・リヴュー、ニコニコ生放送やMMなどPLANETS発信ネット媒体、および新たな座談・インタヴューなどを収録した冊子です。クロス短リヴューが、今回から無くなった。

 やはり、あまり得るものが無かったかなあ。ジェネラリストを自称(!)する宇野さんからは……(笑)。

 各ジャンル毎──映画・TVドラマ・アイドル・アニメ・マンガ・音楽・ゲームの総括座談会(小説のは無し)では、前者4つのみに宇野さん名がクレジット。でもゲームで一回のみ発言してるので、名が無くとも全参加してたのかも。
 映画では、『ゼロ・グラビティ』が絶賛されてました。アトラクション/アクティビティに対抗しうる映像が胆のコンテンツなので、ストーリーが薄い云々──旧来の映画文法のみで批判するのは誤りであると。
 アニメでは、宇野さんは大作映画および超メジャーTVアニメぐらいにしか触れてません。『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』『[新編]まどか☆マギカ』や『進撃の巨人』などの(あと、木皿泉さん脚本『ハル』とか)。発言量も少なく。
 音楽では、ボーカロイドのファン層が若年層にシフト──特に少年女子が増えたと。「カゲロウプロジェクト」とかで。

 作品ごとの対談/座談は、大半で宇野さんがホスト参加。
 『かぐや姫の物語』については、井上伸一郎さん──元「アニメック」副編集長(笑)にしてKADOKAWA代表取締役専務の──と対談。
 『進撃の巨人』(原作漫画)については、宇野さんは前半まで──巨人の謎や真の権力者が不明であった──が面白かったと。でも、今後も「興味深く見続けたい」と。
 『色彩を持たない多崎つくる~』については、アイロニカルでない小市民的なる旨でバッサリ否定。同作を読んでないから判じ得ないけど、小市民感情を非アイロニカルに書いちゃ駄目なのかなあ?

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