2018年6月17日 (日)

キャスリン・ビグロー『ゼロ・ダーク・サーティ』

 アメリカ映画『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012年)を観ました。BSプレミアムでやっていたので。前に紹介したキャスリン・ビグロー監督の映画です。

 これは良かった。前作『ハート・ロッカー』より、ずっとずっと。
 オサマ・ビンラディン殺害までを、CIAの立場で描いた本作。比較的フラットに、アメリカを良くも悪くも色付けせず──拷問シーン等どちらかと言えば少し悪く?──に。
 クライマックスの突入までは、割りと短いシーンの連続。2003~2011年を断続的に。章タイトルの如きが折々現われ、ドキュメンタリー風をいや増している。

 パキスタンCIA支局に赴任した、20代の女性分析官。アルカイダ関係者に対する世界各地で得た“尋問”映像などを見て、1人の連絡員の名前に注目する。情報が不確かで、実在すらも疑われる連絡員。逆に秘匿性こそが彼の重要性を表し、オサマ・ビンラディンに繋がる鍵だと読む彼女。数年をかけ、ついに彼に辿り着くが……。

# プレデター無人偵察機を、CIAも運用(?)してるのね……。

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2018年5月27日 (日)

スティーブン・スピルバーグ『プライベート・ライアン』

 アメリカ映画『プライベート・ライアン』(1998年)を観ました。BSプレミアムでやっていたので。前に紹介しているスティーブン・スピルバーグ監督の映画です。

 2h50m弱と長尺。(OP後)冒頭30mぐらいまでは、圧巻の地獄絵図(人体欠損!)。あの「D-DAY」──ノルマンディー上陸作戦の、オマハ・ビーチにおける第一波攻撃──海岸制圧までを描いた。その後からが、本題なんだけど。
 兵・士官・軍の描写は、ほとんどが前線。きっかけ──ライアン救出作戦の動機において、陸軍の後方(アメリカ本土)が少しく描かれるけど。それゆえ(?)、善悪および(人の)優劣が明確ではない多義的な描写。好戦的(?)かつ挑発的な、ユダヤ人の兵。通訳担当兵と、あるドイツ兵の描写も興味ぶかい。

 1944年6月6日。オマハ・ビーチ。大陸ヨーロッパ反攻たる、ノルマンディー上陸の初日。アメリカ陸軍の第一波部隊は、多大な被害を出すも海岸のドイツ防衛部隊を制圧する。
 上陸から3日後。奮戦敢闘した中隊長(トム・ハンクス)に、参謀総長が直々に決した特命が下る。「兵卒ライアン」──ノルマンディー上陸に合わせ(?)空挺降下した──を、連れ戻して来いと。ライアンの兄3人も軍に居たが、ほぼ同時に別々の戦場で死亡。遺族感情と世論を鑑み──後者について終始直接言及せず──、末弟の兵卒ライアンだけでも帰国させようと。
 しかし当該ライアンは、(本人のせいではない)降下アクシデントで行方知れず。ゆえに上陸部隊の進軍を待たず、少数で密かに(?)探しに行けと。中隊長は、自分の隊から6名を選抜。再先任(?)軍曹・狙撃兵・衛生兵など。他隊のフランス及びドイツ語の通訳が可能な兵(実戦経験なし)も加え、全8名の分隊で出発。たった一人の兵卒──戦術的には全く無意味な?──を、多大な危険を冒して救出するために……。

# 『桐島、部活やめるってよ』と違って、ちゃんとライアン本人が出てきて一安心(笑)。

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2018年5月 6日 (日)

クリント・イーストウッド『アメリカン・スナイパー』

 アメリカ映画『アメリカン・スナイパー』(2014年)を観ました。BSプレミアムでやっていたので。前に紹介しているクリント・イーストウッド監督の映画です。

 イラク戦争に4度派遣された、実在の狙撃手(海軍シールズ所属)を描いた映画。事実および軍事の実際との相違は分かりませんが、傑作です。同じくイラク戦争を舞台とした、『ハート・ロッカー』(2008年)より全然いい。
 海軍シールズが、昇進後の選抜じゃないのに驚きました。入隊時から志望させ、ブートキャンプに続く(?)訓練──当然とても厳しい──で落とされなかったら成れるのね。

 テキサス育ちの兄弟。兄はロデオ大会(?)を転戦し、弟はサポートしている。だがアメリカ大使館爆破事件(1998年)を受け、兄弟で軍に志願。兄──主役は、海軍シールズを志望。30歳と、比較的高年齢で。
 シールズに成るための訓練期間中、後の妻と知り合う主役。一方訓練では、狙撃に才能を発揮。幼少時に、父からライフル狩猟の手ほどきを受けてはいたが。アメリカ同時多発テロルが起き、後に主役はイラク派遣されることに。既に結婚していて、妻が第一子を妊娠していたのだが。
 派遣先ファルージャの市街地で、海兵隊の進軍を狙撃により支援──待ち伏せ攻撃を未然に防ぐ主役。海兵隊による、住居探索の拙さに苛立ちつつ。時には、今まさにテロルをしかけんとする子どもや女性も射殺して……。
 凄腕から、「伝説」と呼ばれるようになる主役。しかし敵──アルカイダにも、「ムスタファ」と呼ばれる凄腕スナイパーがいた。シリア出身で、オリンピック選手だったらしいムスタファ。主役の所属部隊の、最優先目標であるヨルダン出身ザルカウィ(アルカイダ傭兵軍リーダー)。そのザルカウィに連なるムスタファと、主役は何年にも亘り死闘を繰り広げる。徐々に心をむしばまれ、本国に居る妻(&子ども2人)との間に齟齬をきたしながら……。

# 主役の、後の妻への口説き文句が最高!。入隊前──カウボーイ時代は、最低な恋愛をしてたのに(笑)。

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2018年3月25日 (日)

ダグ・リーマン『オール・ユー・ニード・イズ・キル』

 アメリカ映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014年)を観ました。BSプレミアムでやっていたので。

 トム・クルーズ主演のSF映画。原作ライト・ノヴェルは未読ですが、本映画公開に際してのコミカライズ連載は読んでました。
 佳作ですね。傑作ではないけど。わたしが観た(半分に満たないだろう)トム・クルーズ主演作の中では、トップ級じゃないかしら。大昔に観た、『ハスラー2』に次ぐぐらいに(笑)。
 うろ覚えながら(ほぼ原作に忠実らしい)コミカライズ作品と比べて、改変を悪いと感じませんでした。トム・クルーズを新兵に仕立てる為の、序盤の理不尽さ(?)は別として。まあ、『宇宙の戦士』(原作小説・映画とも)や『マブラヴ オルタネイティヴ』との類似感バリバリだったけど(笑)。

 近々未来(?)。5年前ハンブルクに、突如として現われた「ギタイ」。地球外から降下して来たらしい怪物の群れは、フランス及びドイツなど大陸ヨーロッパの広範囲(?)を人類から奪う。戦闘で劣勢な人類は、対ギタイの歩兵用「機動スーツ」を開発(ミサイルや戦闘機や戦車じゃ駄目なの?)。それを実戦投入し、ヴェルダンで初めて局地的勝利(?)を収める。実戦初日にしてギタイ200体を殲滅し、生ける伝説と化した女性兵士リタの大活躍もあって。
 主役は、アメリカ軍メディア担当少佐。大陸ヨーロッパでの大規模反攻作戦に際し、ロンドンの統合軍本部の隷下(?)として着任。そこで統合軍司令官から、明日のフランス上陸作戦に同行する広報任務(?)を命じられる。戦闘経験皆無の主役は、それを固辞。あまつさえ、メディア担当ゆえの脅迫まがいの言辞を弄する。だが司令官には通じず、将校身分を剥奪され2等兵あつかいに。さらに機動スーツ歩兵として、明日の上陸作戦への参加を強制される。
 当然ろくな訓練も受けられず、迎えた翌朝の出撃。だが隠密作戦のはずが何故かギタイが待ち伏せ──いままでも多くあった──していて、上陸(空挺)部隊は壊滅状態に。悲惨な戦場で何も出来ず、右往左往する主役。そんな中、大鉈の如きを振り回し孤軍奮闘する英雄リタ(と主役は分からない?)を目撃。だが、あっさり彼女も戦死してしまう。逃げ惑う主役の前に、他より大きなギタイが出現。絶体絶命の襲われる直前、“対人”地雷でギタイもろとも自爆。ギタイの体液まみれになりつつ、そのまま死亡してしまう。
 ──と死んだはずが、“昨日の階級剥奪後”の覚醒を再び迎える主役。経験した“明日の記憶”どおり、ほぼ同じく繰り返される昨日。そして迎えた2度目の出撃で、1度目の経験を踏まえるも死亡。すると、またも昨日の同タイミングで覚醒。各ループの記憶(と非体力的な能力?)を保持したまま、幾度となく繰り返される1日(足かけ2日)……。
 試行錯誤を続ける何度目かも分からないループで、やはり常に孤軍奮闘するリタを鮮やかに救う主役。ギタイの波状攻撃を予測したが如き彼に、次の覚醒後に自分を訪ねろと言う彼女。結局2人とも戦死し、昨日に再会──彼女にとっては初対面──する主役。彼の話を聞き、ループを受け入れる彼女。なぜならば、かつてリタも初陣で大きなギタイを殺害後に死亡。ループへと突入。それによりヴェルダンで遂に生き残るも、大けがで輸血を受けループ能力を失ったからであると……。

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2018年2月 4日 (日)

アラン・レネ『二十四時間の情事』

 フランス/日本映画『二十四時間の情事』(1959年)を観ました。BSプレミアムでやっていたので。
 前に紹介しているアラン・レネ監督の映画です。「長編第一作」だが、もう次が『去年マリエンバートで』である……。

 約1.5h。意図的に噛み合わない(?)男女の会話がバックの、OPシーンが10分以上。原爆に関わる映像や写真・当時の広島の情景など映され、合い間に睦み合う男女の腕や背中の映像が入る。
 「無関心への恐怖」など、頭良さそうなオシャレ会話が満載。出会いが全く描かれず、別れが判然としないながらも……。

 1959年。夏(?)の広島。睦み合う、フランス人女と日本人男。どちらも、30代半ば且つ既婚者である。女は役者で、男は建築家らしい。
 映画撮影で、広島に来た女。再会を望む男に、女は翌日に帰国すると告げる。やがて語られる、女の過去。フランス解放前、故郷に来ていた若いドイツ兵と隠れて(?)付き合っていたらしく……。

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2018年1月14日 (日)

アピチャッポン・ウィーラセタクン『ブンミおじさんの森』

 イギリス/タイ/ドイツ/フランス/スペイン映画『ブンミおじさんの森』(2010年)を観ました。BSプレミアムでやっていたので。

 タイ北部の山里(?)。ゆったりとした夜のしじま。人生の黄昏。それらと寄り添う、この世ならざる者たち。夢幻的で、眠りへと誘われる(笑)。
 カンヌ最高賞を得たと言う本作。なるほど、河瀨直美さんのカンヌ受賞作を彷彿とさせる。

 タイ北部の農園。初老(?)のブンミおじさんは、ラオスからの移民らを雇い果樹栽培や養蜂を営んでいた。人工透析しているが、同居家族は居ないらしい。
 その農園を、親類2人が訪ねてくる。ブンミおじさんの妻の妹である、片脚が不自由な熟年(?)女性。血縁関係は語られないが、甥っ子らしい青年男性。体調が優れない(安定しない?)ブンミおじさんを、2人は見舞いに来たと思しい。
 親族3人の夕べ。団らんの食卓に、うっすらと中年女性が姿を現す。驚きつつも、受け入れる3人。彼女は19年前に亡くなった、ブンミおじさんの妻であった。はっきりとなった姿は、亡くなった42歳のまま。戸惑いつつも、昔話をする4人。
 少しして、階下から無言で昇ってくる真っ黒なシルエット。姿勢は人間の如く直立しているが、顔まで毛が生えた類人猿の如き容姿。それは自らを、ブンミおじさんの息子だと話す。驚きつつ、やはり受け入れる4人。ブンミおじさんは亡き妻に向かって、妻の死から6年後に息子が行方不明になったと説明。息子によると見かけた“猿の精霊”に興味を引かれ、森で追い続けるうちに自分もそうなったと。
 死期が近いと、自他ともに気づいてるらしいブンミおじさんら3人。その為と土地柄が重なり、この世ならざる2人が現われたと思しく……。

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2018年1月 7日 (日)

アメリカTVドラマ『ウエストワールド』(2016年)

 アメリカTVドラマ『ウエストワールド』(2016年)全10話およそ10.5hを観ました。録画BDを知人にお借りして。

 マイケル・クライトンが脚本・監督を手がけた、1973年の同一タイトル──直訳『西部』──の映画(知らなんだ)。そのリメイクだと言う本作ですが、設定や名称を借りたぐらいなのかも。
 おもしろかった。圧倒的スケールと、細密なディティール(グランドキャニオン(?)頂上の施設および無法者の町の、遠景CGIを除く)。お飾りじゃない豪華キャスト(エド・ハリス&アンソニー・ホプキンス)。『メメント』を彷彿とさせる、ジョナサン・ノーランによる複雑さ。ループ表現も、いい塩梅で嫌にならない。

 グランドキャニオン(?)に開園して30数年が経つ、西部劇テーマパーク「ウエストワールド」。広大な施設であるが、唯一無二の売りは人間そっくりの「ホスト」と呼ばれるロボットたち。シナリオに沿って基本はループ行動するが、人格や感情の如きを備え即興能力を有し、自分たちをロボットだと思っていない。
 老若男女(に作られた)、多種多様のホストたち。無法者も居るが、実際にゲスト──富裕層の客を傷つけたりはしない。逆にゲストは、ホストを凌辱・殺害(破壊)しようが自由。MMORPGの如く(?)、善玉あるいは悪玉になるも自由。クエストの如きシナリオに参加するも、だらだら町で過ごすも自由。MMORPGとは違って、知らないプレイヤー──ゲスト同士が交流しない(させない?)ものらしいが。
 高額でありながら、ずっと盛況らしい園。そんな園で、ささやかなホスト異常行動が幾つか発生していた。古くからの個体で、最近のアップデートを施された一部において。ループ巻き戻し時や、役柄変更時に為されるメモリー消去。その消えたはずのメモリー──記憶を、思い出したが如き個体が現われて……。

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2017年12月14日 (木)

ハリウッド実写版『銃夢』公式トレーラー

 ハリウッド実写版『銃夢』公式トレーラーが公開されました。

alita Battle Angel  Official Trailer [HD]  20th Century FOX - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=aj8mN_7Apcw

 CGIで、役者の目を巨大化させたと思しいアリタ(ガリィ)。ブライス人形みたいで気持ち悪いけど、原作絵に似てる気がする(笑)。
 ストーリーは、ユーゴ編──モーターボール編の前までを描くのかしら……。

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2017年10月29日 (日)

アンドレイ・タルコフスキー『ノスタルジア』

 イタリア/ソヴェト映画『ノスタルジア』(1983年)を観ました。BSプレミアムでやっていたので。前に紹介したアンドレイ・タルコフスキー監督の映画です。

 映像は、ひたすら美しい。内容は、ひたすら難解だけど(笑)。
 遺作たる『サクリファイス』より(現在シークエンスは)理解できるけど、やはり(?)ストーリーは有って無きが如し(と感じる)。タイトルの意味するところが分からず、ノスタルジアを象徴すると思しい白黒シーン(の大半)は意味不明。それらの現在シークエンスに登場しない数人が、夢か現か誰かも分からず……。

 ボローニャ近く(?)の、ひなびた温泉地(湯治場)。そこを、美しいイタリア女性と詩人のロシア男性が訪れた。近くに、『出産の聖母』なるフレスコ画(?)が有名な教会もある。
 イタリア好きらしい、詩人。今回、18世紀終わりにボローニャに留学したロシア音楽家の伝記を書くために来たらしい。温泉も、音楽家ゆかりの地であると。イタリア語を話せるロシア詩人だが、通訳も兼ね同行したイタリア美女。詩人とは、モスコーで知り合ったと思しい。彼女は気が有るようだが、妻子持ちの詩人は手を出してないらしい。
 温泉地には、周囲から狂人あつかいされる初老(?)男性が居た。独り愛犬と、荒れ果てた家に住む彼。かつて7年間も妻子を家に閉じ込め、解放後は二人に出て行かれたらしい。その行為は本人曰く、世界の終わりから家族“だけ”を救おうとした為らしく……。
 詩人は興味を引かれ、初老男性に話を聞く。かつて自分はエゴイストだった悔い、家族のみならず世界を救わねばならないと言う彼。そうするには、灯したロウソクを持ち水の上──(屋外プールの如き)近所の温泉を歩くだけで良いと。だが彼がしようとすると、湯治客らに止められてしまう。だから代わりにと、詩人にロウソクを託し──。

 「表現されない感情は/忘れられたりしない」。引用か創作か、詩人が劇中で詠んだフレーズが印象的でした。

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2017年9月 3日 (日)

森達也『FAKE<ディレクターズ・カット版>』

 日本映画『FAKE<ディレクターズ・カット版>』(2016年)を観ました。録画BDを知人にお借りして。
 前に紹介した映像ドキュメンタリー作家ですが、映像作品は初めて観ました(笑)。

 作品本編2h8mに加え、番組(日本映画専門チャンネル)案内人であるTVアナウンサー軽部真一さんと監督の対談33mを前後に配置。それも──特に軽部さんがインタヴュアーであることにより、とても興味ぶかい。
 佐村河内夫妻への(ほとんど自宅内での)密着撮影は、ゴーストライター騒動発覚後半年ぐらい(2014年夏?)から始めたそう。それから(特に終盤は?)断続的に、2年近く撮影を続けたらしい。
 <ディレクターズ・カット版>の顕著な差異は、全カットした全盲の青年女性の来訪──(15年来の知己で)自覚的に出演したシーンの復活だそうな。公開時は未成年で、本人OKだけど監督が配慮したと言う。
 監督も自覚的であろう、不作為──偶然を作為に変える演出。顕著な例は、マイク電源を入れ忘れた映像の印象的なインサート。やはり自覚的であろう弱ってる人の懐に飛び込む魅力(?)と相まって、とんでもない悪人にも成り得るんじゃないかと震える(笑)。

 公開時に口外するなと煽られたらしい最後12分は、なるほどの内容。ですが当該シーンで表されるクオリティ(?)を、わたしは判断できません。好きとは言えないけど、良くないとも判ぜられず……(笑)。
 夫妻の恨み言を、最小限に抑えたらしい編集。夫──佐村河内守さんはメディア・スクラムを、だまされた「メディアの復讐」と表現。自身が揶揄されるTV番組を、無言で(ため息を飲み込み?)観る夫妻が雄弁であるような無いような……。
 密着ゆえ撮られた、佐村河内さんへの他者による取材など。フジテレビ系の取材&大晦日特番出演依頼と、アメリカのオピニオン誌による取材。後者は日本語&手話の二重の通訳を介しつつ、アメリカらしい(?)核心を突く理詰めの質問。曰く新垣さんが作曲できる証拠は複数あるが、それを佐村河内さんは明らかにしていないと。提示した綿密な指示書だけでは不充分で、演奏または演奏した音源を示すべきであると。
 本作の正式な取材依頼を断った、新垣さん及び本件をゴーストとスクープした神山典士さん(ノンフィクション作家)。事務所が断った前者は兎も角、後者は酷いねぇ。だから嘘ついてるって訳じゃなく、森達也さんに“人間として”勝てないと逃げたに等しい。ジャーナリズムの人間で、巨悪とまでは言い難い佐村河内さんを社会的に抹殺したにも関わらず……。

 本編後の対談で、(善悪)二元論へのアンチテーゼである旨を述べる監督。以前から一貫した動機と思しいけど、曰く半分は後付とも。加えて、自身──ドキュメンタリーこそフェイクであると半ば韜晦(自虐?)しつつ……。
 そして軽部さん。騒動発覚1年前から、佐村河内さんと(仕事を通じて知り合い)個人的に交流していたのだと。騒動発覚直後に連絡が取れなくなり、佐村河内さんは存在しなかった──単純にゴースト云々ではないレヴェルで虚像だったのかと悩んだらしい軽部さん。でも本作を観て、やはり佐村河内さんは存在したんだと思ったそうで……。

# アイキャッチな飼い猫。あお向けでの腹見せが堪らない!(笑)
# 軽部さんについては、いままで(風貌を除いて)ほとんど知らず興味も有りませんでした。でも本対談を観て、信頼できる人だなーと思いました。同じく映画に詳しそうな同僚アナウンサー、笠井信輔さんより遥かに(笑)。

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