2017年4月30日 (日)

ジョン・ランディス『ブルース・ブラザース2000』

 アメリカ映画『ブルース・ブラザース2000』(1998年)を観ました。BSプレミアムでやっていたので。前に紹介した映画の続編です。

 基本、前作と同じ内容ですね。ストーリーは、もちろん違う……おおむね同じだけど(笑)。
 不謹慎さ(?)は、時代の変化もあってか少し控えめ。ナンセンスも同様。それでも良くも悪くも、2001年9月より前の能天気さで……。

 「ザ・ブルース・ブラザーズ・バンド」の短い再結成から18年。「ブルース・ブラザース」の弟エルウッドが、“あの風貌”でイリノイ州の“民営”刑務所から出てきた。18年前とは逆の立場で、門の前で兄ジェイクの迎えを待つエルウッド。しかし、一昼夜が過ぎても来ない。どうやらジェイクは亡くなっていて、弟には知らされてなかったらしく……。
 代わりに迎えに来たのは、バンドの元ドラマーが経営する店のダンサー女性。兄弟が18年前に守った孤児院(?)は既に無く、職員だった老人男性も死去。院のシスターはマザーに昇格し、病院の施設で孤児の保護などに当たっていた。前と同じく彼女に叱りつけられたエルウッドは、後見人になるよう10歳の男児を押し付けられる。その気は互いに無いが、とりあえず行動を共にする二人。
 マザーから、職員だった男性の隠し子について聞いたエルウッド。実の父について知らされず、警察署長にまで成りあがった(?)その息子。バンドを再々結成するため、署長の職場を訪ねるエルウッド。バンドに加わるか、もしくは現金500ドルを貸してくれと。どちらも断り、彼を外に放り出す署長。待っていた男児は、署長にぶつかり財布(身分証入り)を盗む。現金のみ抜かれ、届けられた財布。金を借りた旨のメモをわざわざ入れたことにより、早速エルウッドは警察に追われることに……。
 18年前と同じく、バンド元メンバーを口説いて回るエルウッド。途中ロシア系ギャングと揉め、彼らにも追われることに。いいことも有り、元ドラマーの店のバーテンダーを兄の代わりにとスカウトしたエルウッド。再々結成したバンドは、前と同じくライヴをせんと旅立つが……。

 (本作から)登場した豪華ミュージシャンは、B.B.キング、エリック・クラプトン、スティーヴ・ウィンウッドぐらいしか分かりませんでした。名前ぐらいを知ってたのは、エリカ・バドゥ(「女王」役)とボ・ディドリーぐらい。当時大人気(?)だった前者は、それを偲ばせるフィーチャーぶり。ジェフ・バクスター──スティーリー・ダン結成メンバーなのね──は、そのギター演奏と風貌(笑)にしびれた……。

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2017年4月23日 (日)

ジョン・ランディス『ブルース・ブラザース』

 アメリカ映画『ブルース・ブラザース』(1980年)を観ました。BSプレミアムでやっていたので。

 音楽/ミュージカル映画の要素を持つ、ドタバタ喜劇ですね。アメリカらしくガンガン銃撃され──主役たちの非暴力(対人)は感心する──、チェイスで車を壊しまくる。
 『モンティ・パイソン』映画に比べると、スノッブ及び諧謔は少なめ。派手さは多め。ナンセンスちょっぴり。且つ美談。なので(?)、両者ともに一長一短かなー。志村けん・松本人志お二人のコントとも、あまり好きになれない私としては……(笑)。

 イリノイ州の刑務所から出てきた、短躯がっしり男性のジェイク。5年刑期を、3年仮釈放されたらしい。迎えに来た長身がっしり男性は、弟のエルウッド。二人とも黒いスーツ/タイ/中折れ帽&サングラスの出で立ちで、自身を「ブルース・ブラザース」と名乗る。
 エルウッドは兄を、自身らも居た孤児院(?)のシスターの元に連れて行く。前科持ちになった二人を、荒っぽく叱りつけるシスター。二人を気にかけつつ、いまも子どもらが居る院の窮状を語りだす。群に固定資産税5千ドルを請求され、期限が迫るも払えず立ち退かねばならない。教会の援助も得られず、どうにもならない現状。なんとかすると言う二人に、汚い手段(泥棒など)で得た金はダメだと拒絶するシスター。
 シスターの折檻から、這う這うの体で逃げ出す二人。職員の老人男性とは旧交を温め、有名牧師の説教を聴きに行けと薦められる。気乗りしないが、当ても無いので従う二人。件の有名牧師(ジェームズ・ブラウン)は巧みな話術で場を煽り、音楽と歌と踊りで盛り上げる。当初は無表情だったが、やがて聴衆に交じって踊り出す二人。そこでジェイクは、はたと天啓を得る(笑)。収監前に組んでいたバンド──「ブルース・ブラザース」の二人を中心とした──を再結成し、危機の孤児院の為に短期一攫千金しようと……。

# あのBGM──開始30分弱で初めて流れる──は、さほどは多用されませんね。もう一曲、よく耳にするBGMが有りましたが……。

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2017年4月16日 (日)

フランシス・フォード・コッポラ『ランブルフィッシュ』

 アメリカ映画『ランブルフィッシュ』(1983年)を観ました。BSプレミアムでやっていたので。
 前に紹介しているフランシス・フォード・コッポラ監督の映画です。ほとんど白黒で、ランブルフィッシュ──赤と青の「闘魚」のみカラーの。

 大したこと無さそうで、やっぱり(?)味が有ります。スタイリッシュさを想像しましたが──おおむね映像はそうだけど──、滑稽味も醸していて。幽体離脱シーンは、それが過ぎるけど(笑)。
 ミッキー・ロークは、線が細くてセクシー控えめ。ロッド・スチュワートみたいにスリム(笑)。デニス・ホッパーは、脇役ながらダメ親父で存在感。まだ額が広くないニコラス・ケイジ(笑)──コッポラの甥って知らなんだ──は、セクシーながらもパッとせず(役柄も有って)。トム・ウェイツは、渋くてカッコ良すぎ。ダイアン・レイン──と言えば往年のCFですが(笑)──は、スレンダーで可愛かった……。

 主役(マット・ディロン)は、街(ニューヨーク?)の不良高校生。いま街に居ない、「モーターサイクル・ボーイ」と呼ばれる4つ上の兄(ミッキー・ローク)を持つ。
 頭が良く、喧嘩が強い。カリスマ性も有り、街の不良たちを束ねていた兄。そのように振る舞えず万事グダグダで、兄に対し憧れと少しの嫉妬をいだく主役。敵グループ頭(?)との決闘中、やはりグダグダでピンチに陥る。そこに颯爽と現われ、弟を救う兄。
 しかし兄は、憑き物が落ちたように物静かになっていた。カリフォルニアに行き、でも海へは行かなかったと言う(伏線)。ペット店に通う兄は、静かにランブルフィッシュ──闘魚を眺め続けて……。

# ローソン・レプリカが泣かせる。でも「ランブルフィッシュ」と言えば、田中吾希人さんのニンジャだよね(笑)。

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2017年4月 9日 (日)

ブライアン・デ・パルマ『アンタッチャブル』

 アメリカ映画『アンタッチャブル』(1987年)を観ました。BSプレミアムでやっていたので。

 ウェルメイドだけど、いまさら特筆すべき点は無いかなー。あの有名な(?)、駅の階段シーンも含めて。

 1930年シカゴ。アル・カポネ(ロバート・デ・ニーロ)は禁酒法下で、莫大な富を非合法に得ていた。その為に(買収による)数々の汚職や、競争相手のみならず市民にも及ぶ死傷沙汰も引き起こして。
 そこで中央から派遣されて来た、「財務省の特別捜査官」であるエリオット・ネス(ケヴィン・コスナー)。早速シカゴ市警と乗り出すも、捜査は空振り。おそらく警察内部からの密告で、事前に取り締まり情報が漏れていたらしく……。
 味方がおらず、明に暗に嘲笑されるネス。失意の彼は偶然、夜間巡回中の老巡査(ショーン・コネリー)と出会う。謹厳実直にして、融通無碍そうな老巡査。腐敗した市警内で嫌われ者の──それゆえ閑職(?)に追いやられた彼を、ネスはスカウト。応援にと追加派遣された、経理に明るい財務省の職員。ネスと老巡査でスカウトした、射撃の名手にして独立不羈の新人(?)警官(アンディ・ガルシア)。それら計4人のティーム──やがて「The Untouchables」と呼ばれる──は強大なアル・カポネに対し、「合法的な手段を総動員して」孤軍奮闘を開始するが……。

# ケヴィン・コスナー、美青年だったんですねぇ(笑)。

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2017年3月26日 (日)

ブラッド・バード『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』

 アメリカ映画『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』(2011年)を観ました。BSプレミアムでやっていたので。
 まともに観た『MI』シリーズ映画は、『MI2』以来の2作目。『MI1』は、確か地上波TV吹き替え版をながらで観たはず。

 ウェルメイド且つ陳腐で、観ていてドキドキしません。最終盤クライマックスも。
 スクリーン投影による光学迷彩の如き、架空ガジェットの使用シーンが最も面白かったかしら。相手の視点移動──二つの眼球位置から相手の立体視イメージを演算し、投影する映像をリアルタイム更新する。

 ブタペストで、IMF(Impossible Mission Force)が任務に失敗。ロシアの機密ファイル──核ミサイルの発射コードを奪ったものの、殺し屋に横取りされたのだ。チーム員1名を殺害されて。
 一方、イーサン(トム・クルーズ)はモスコーの刑務所に入っていた(後に説明されるが、何故そこか不可解)。が、IMFのチームにより脱獄──救出される。ついでにイーサンは、世話になったロシア人1名も脱獄させる(もちろん伏線)。
 救出員2名が合流し、発令されるミッション。それはクレムリンに潜入し、“コバルト”──発射コードを奪ったと思しいテロリストについての情報を盗み出すこと。なんとか潜入するが、目当ての情報媒体はケースのみで空。作戦中止し、脱出するイーサンたち。だが彼らの通信に割り込み──チーム員の振りをし、爆破を告げる声が聞こえた。大きな爆発が生じ、建物から脱するも吹き飛ばされるイーサン……。
 なんとか逃げ延び、モスコー内(?)でIMFにピックアップされるイーサン。どうやら罠に嵌められ、爆破と発射コード盗難をIMFが行った──後者は目的は兎も角も濡れ衣ではないが──と認識するロシア諜報部(?)。イーサンは、クレムリン内で作戦中止後に擦れ違った男を思い出す。分析官に容姿を伝えると、スウェーデン特殊部隊あがりの元ストックホルム大学物理学教授に違いないと言う。「核による終末説」──過去の生物大量絶滅に倣った人為的リセットによるヒトの進化(?)を唱え、大学から追われた経歴の。そいつこそが“コバルト”だと気づき、自分たちを罠に嵌め、彼らの目的を核戦争の誘発だと推論するイーサンたち。
 しかしIMFはロシア側の嫌疑により、アメリカ政府からの切り離し──「ゴースト・プロトコル」に従った緊急パージを受ける。組織のバックアップは無く、手持ちリソース(銃器・装備など)も限定的。チーム員は(分析官も加わった)全4名。そんな状況で、核戦争の危機を防がねばならない。発射コード受け渡しが行われると突き止めた、ドバイに飛ぶチームだが……。

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2017年3月19日 (日)

中島哲也『告白』

 日本映画『告白』(2010年)を観ました。BSプレミアムでやっていたので。

 引き込まれました。露悪的で、ツッコミどころ満載のディティールが甘いプロット。いじめや学級崩壊の放置、一生徒への掃除ペナルティ2週間、担任の保健室への託児(?)、少年A実母のアカデミズムへの復帰などなど。そのツッコミどころも、セルフ突っ込み──AIDS発症や溺死など──により小さく見せようとする姑息さ(原作どおり?)。奈須きのこさんを思わせる(?)、力技のトンデモ展開。
 そんなプロット──原作由来であろう粗を、うまく昇華したと思しい本映画。怖がらずに笑っちゃう、ホラー映画の如くならずに。ただ最終盤のCGI満載シーンだけは、同監督『下妻物語』のスクーターぶっ飛びシーンを思い出しちゃったけど(笑)。嘘か真か、ぼかすためかも知らんけど。
 惜しむらくは観る前に、○○が殺されるって知っちゃったこと。その役者さんへのインタヴュー記事を、うっかり読み返しちゃって(笑)。

 ある中学校の、3学期終業式の日。ある1年生のクラスで、担任教師(松たか子)が淡々と告白しだす。だが生徒らは常どおり(?)騒ぎ又は無関心で、真面目に聴く者は少数。担任が今月で教師を辞めると言えば、歓声まで上げる始末。
 当初は、自らの力不足などを述べていた担任。やがて告白は、先月に溺死した愛娘(芦田愛菜)へと及ぶ。自分がシングルマザーになった経緯。最近ある曜日だけ、(学校を一時的に抜けて)愛娘を保育園から引き取ったあと学校の保健室に託していた経緯。そして愛娘の死──学校プールでの事故が、実は殺人であったとの告発。しかも犯人は、このクラスの生徒2人であると……。

# 能年玲奈さんは、出てるの分からなかったな。橋本愛さん(当時14歳?)は、あお向け横姿での胸の膨らみがムネアツ(笑)。

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2017年3月12日 (日)

エリック・トレダノ/オリビエ・ナカシュ『最強のふたり』

 フランス映画『最強のふたり』(2011年)を観ました。BSプレミアムでやっていたので。

 おフランスらしい(?)行儀の悪さと、さり気なくも鼻に付くPCへの目配り──時に越境する──が見て取れた本作。でも、佳作です(笑)。

 首から下が麻痺している、パリに住む富豪男性。自らに24h対応可能な介護人の募集面接で、彼は心底ウンザリしていた。応募者の大半が経験者で、その綺麗ごとばかりの売り文句に。いままで採用した、すぐに逃げ出す介護人たちと同様だったらしく……。
 そんな応募者の中に、飛び抜けて異質な──フランスらしく変わり者もチラホラ──若い黒人男性が1人。がっちりとした体格と、ふてぶてしい態度。面接が始まるなり、不採用の署名をしてくれと書類を突き出す。それを求職活動した証拠とし、失業保険をもらうからと。
 介護未経験者にしても、まったく富豪男性に気を使わない黒人男性。その率直さゆえか、当人の意に反して試験採用されることに。当初は戸惑うも、勘の良さ(?)と遠慮の無さで普通以上の働きを見せる黒人男性。互いに気を許し始め、富豪男性の暮らしに活気も出てきて……。

# 「実話に基づいた物語」らしいけど、実際の介護人は非黒人でした。

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2017年3月 5日 (日)

トーマス・アルフレッドソン『裏切りのサーカス』

 イギリス/フランス/ドイツ映画『裏切りのサーカス』(2011年)を観ました。BSプレミアムでやっていたので。前に紹介したトーマス・アルフレッドソン監督の映画です。

 おもしろいけど、むずかしかった……。あまり間を置かず2度たのは、アラン・レネ『去年マリエンバートで』以来(笑)。
 顔・立場と名前──姓と名と暗号名が使い分けられる──が一致せず、さり気なく使われる固有名詞(“カーラ”が典型)が謎で、ちょっとしたシーンの意味が分からなかった1度目。名前などを把握した2度目で、ようやく意味を理解できました。
# でも最後の狙撃は、誰がさせた(or許した?)のだろう。敵・味方どっちが……。

 1973年11月14日ロンドン。サーカス(イギリス諜報部)の組織の長──チーフ及び右腕幹部(ゲイリー・オールドマン)の2名が、静かに退任した。チーフが個人的に指示し失敗した、ブダペスト亡命幇助オペレーションの責任を取らされて。亡命者から二重スパイの情報を得ようとするも、(亡命そのものが嘘で?)派遣した工作員を殺害された。身内のみならず、アメリカ諜報部の不興も買って。
 チーフが疑った二重スパイ──“もぐら”とは、(右腕も含む)サーカス幹部トップ5の中にいるソヴェト連邦と内通している者。それゆえ個人的に指示したのだが、失敗し“もぐら”はニセ情報だったとされてしまう。退任後、チーフは死亡(病気?)。一方、一見おだやかに日々を過ごす元右腕。夫婦関係──と言うか妻から夫への感情は、近年(?)良くないらしいが……。
 およそ1年後。そんな元右腕に、外務次官──サーカスを所管する?──が内々に接触してくる。自分とチーフを解雇した次官(と大臣)だが、その原因たる“もぐら”の調査を依頼しに。イスタンブールで行方をくらませた工作員(トム・ハーディ)が、次官に直接“もぐら”は実在するとの情報をもたらしたのを受けて。工作員はサーカス本部に“もぐら”について仄めかしたゆえ、行方をくらまさざるを得なくなったのだと。
 いまや外部の人間となり、疑われる幹部“もぐら”候補から外れた元右腕。残った幹部トップ4の1人がチーフとなり、トップ幹部を補充していないらしい新体制。次官の依頼に対し元右腕は、現役のサーカス幹部職員(ベネディクト・カンバーバッチ)──行方不明工作員の上司だが連絡あったのを知らせず──や警視庁保安部の元警部など少数の人材を要求。リバプールのホテルに拠点を構え、自他による内偵を始めるが……。

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2017年2月19日 (日)

河瀨直美『あん』

 日本/フランス/ドイツ映画『あん』(2015年)を観ました。BSプレミアムでやっていたので。
 前に紹介している河瀨直美さん監督の映画です(脚本も)。ほぼほぼ東京都東村山市が舞台の。(音楽関係が、フランス担当っぽい)

 重い題材ですが、淡々とした抑えめの演出。お涙ちょうだいとなる、決定的シーンは避けて。以前の同監督『萌の朱雀』『殯(もがり)の森』の如き、映像“のみ”で心を揺さぶるエモーショナルなシーンも無し。それだけに、抑えめの悪意──無理解・無関心が突き刺さる(浅田美代子さん、お見事!)。そして、抑えめの善意──関心・コミットメントも。
 美しい映像が印象的だった、『萌の朱雀』と『殯(もがり)の森』。それらに対し、久米川駅周辺の冴えない光景(笑)──桜並木はいいけど──が過半の舞台である本作。逆に美しい映像の舞台となったのは、後半で訪れる同市内のハンセン病療養所。園内の木々と、古そうな平屋の群れ。本当の末端欠損者“も”出演する、おだやかそうに“見える”元患者たちの姿をさり気なくもワザとらしく(?)映して……。
 『萌の朱雀』『殯(もがり)の森』と違って、著名キャストらが主/助演した本作。最も素人くさかったのは、主役らと関わりを深める女子中学生役。その内田伽羅さん、(永瀬正敏さんと)W主演した樹木希林さんの孫だったのね。いい雰囲気で良かったけど、若かりし頃の祖母の方がルックスいいよね(笑)。(母親は、観たこと無い)

 桜が満開の季節。気だるげ(≠いい加減)に黙々と、どら焼きを独り製造・販売する中年男性(永瀬正敏)。小さなビル1階の店を任され、直ぐ近くの部屋で寝起き。ほぼ部屋と店を往復するのみの、半径数百メートルで暮らしているらしい。
 そんな店に、アルバイト募集の張り紙を見て老女(樹木希林)が申し込んでくる。時給600円と安いので、年齢不問でしていた募集。だが流石に、老女が76歳と聞き断る中年男性──店長。あしらうように、どら焼きを与えて帰してしまう。
 再び来店し、どら焼きの感想を述べる老女。曰く、皮は悪くないけど餡が良くなかったと。そして自作の餡(粒あん)が入ったタッパーを、店長に押し付け帰ってしまう。一度は捨てるも、餡をなめてみる店長。その美味しさに驚き、何度も舐めてしまう。
 また老女が来店し、店長は餡の感想を伝え勧誘。餡だけでも作ってほしいと。喜んだ老女は、翌日から来ると言う。11時開店に合わせ、餡の仕込みに日の出前から出ると。店長一人──業務用の餡を用いると、9時から仕込み開始だったのに(笑)。
 50年以上、餡づくりしていたと言う老女。だが若い頃の病気で指が曲がり、力仕事は出来ない。店長も早起きし、餡づくりを手伝い・教わる。小豆への感謝を述べ、じっくり丁寧に餡をつくる老女。うんざりする店長だが、出来立ての餡&その餡を用いたどら焼きの美味しさを喜ぶ。曰く、甘いもの苦手だけど食べられると。その言い様に、あきれつつ喜ぶ老女であった。
 餡が変わって、店はクチコミで近所の評判に。小規模ながら行列が出来、仕込み分が無くなり完売してしまう時も。そんな日々の夜。店長が独り片付け中、オーナー女性(浅田美代子)が店を訪ねてくる。自分の友人も来店し、老女の曲がった指を見て「らい病(ハンセン病)」じゃないかと言われたと。(かつて特効薬が無かった時代の)末端欠損者の話などをし、店に悪影響が出るんじゃないかと。やんわり抗議する店長に、かつて自分たち夫婦が何がしかの慰謝料を肩代わりしたと述べるオーナー女性。無神経に手をアルコール消毒し、店を任せているからと述べ解雇を促す。
 やるせなさに憤り、飲んだくれる店長。翌朝寝坊し、老女が電話をかけてくる。二日酔いの為か、体調不良を理由に休むと告げる店長。餡だけ仕込み帰ると、了承する老女。だが仕込みが終わるころ、店外に開店を待つ客が。不自由な手で不出来ながらも皮を焼き、接客もして店を切り盛り。午後(?)店長が遅出すると、まだ老女の姿が。本日2度目の餡づくり中で、ことの顛末を話し朝に仕込んだ分は使い切ったと。ひどく疲れてそうだが、嬉しそうな老女。それを見て吹っ切れ、好きなだけ働いてくださいと述べる店長。今日のように、良かったら接客もしてくれと。
 だが裏腹に──いや懸念通り、客が激減してしまう。オーナ女性の友人が、あるいは別の誰かが無理解な噂を流したのか……。そんな客足が途絶えたある日、店長は老女に早上がりを促す。悪意ではなく、おそらく善意で。だが察したらしい老女は、間も無く(?)店を辞めてしまう。
(中略)
 再び桜が満開の季節。店長は花見で賑わう公園で、どら焼きの露店を出していた。かつての下を向いた仏頂面ではなく、胸を張り顔を上げて。おそらく餡は、老女の作り方をベースにして……。

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2017年2月12日 (日)

ジョン・ウー『フェイス/オフ』

 アメリカ映画『フェイス/オフ』(1997年)を観ました。BSプレミアムでやっていたので。前に紹介しているジョン・ウー監督の映画です。

 娯楽作としては、とても面白かった。都合のいいディック的(?)医療技術──本作の根幹アイディアである──&やたら爆発し過ぎが、やや気になったけど(笑)。
 そして、やはり白バト乱舞が(笑)。「ここで?」と言う場面なので、心象風景かもしれない……。

 FBI捜査官ショーン・アーチャー(ジョン・トラボルタ)は、請け負いテロリストのキャスター・トロイ(ニコラス・ケイジ)を空港で追い詰める。アーチャーにとってキャスターは、6年前に自分の命を狙い、その巻き添えで幼い息子を殺した宿敵であった。死闘の末、アーチャーはキャスターを殺した……はずだった。万事解決と安堵していたアーチャーに、驚くべき提案がなされる。キャスターは、昏睡状態で秘かに生かされていたのだ。
 キャスターの仲間が持っていたZipディスク(笑)を解析したところ、LAの何処かにテロルらしきが時限セットされたと判明。アーチャーも、死闘時にキャスターが「疫病をばらまく」旨を言っていたことを思い出す。同時に捕らえたキャスターの弟を尋問するも、口が堅くテロル情報を引き出せない。そこでアーチャーの同僚2人は、アーチャーが刑務所に潜入しキャスター弟から詳細情報を得る作戦を立てる。それに際して、最新外科技術を駆使して文字どおりキャスターからの“顔面移植”(および肉づきの調整・声の変換など)を行っての。
 もちろん、提案を拒否するアーチャー。再びキャスター弟への尋問を行うも、やはり情報を得られない。かろうじてキャスターの昔からの仲間──今回の逮捕劇には関わってない?──から、「(実は仕かけてから11日後である)18日はLAから逃げろ」なる旨のみを言わていたと聞き出す。期日が迫り、やむなく極秘作戦を受け入れるアーチャー。元の顔面は保存され、済んだら戻すと(提案当初に)説明を受けて……。
 術後、計画どおり収監されキャスターに“成りすました”アーチャー。キャスター弟と接触し、なんとか仕かけた場所の情報を得る。だが少し先んじて、昏睡状態だったキャスターが覚醒。仲間に連絡し、メイン執刀医を拉致。アーチャーの顔面を自分に移植(&もろもろの調整を)させ、メイン執刀医およびアーチャーの同僚2人を殺害して極秘作戦を隠滅。アーチャーに成りすましたキャスターは、司法取引を称し弟を刑務所から出す。当初の目的の情報が無駄となり、刑務所に取り残されキャスターに“された”アーチャーは……。

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