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2012年7月 1日 (日)

トーマス・アルフレッドソン『ぼくのエリ 200歳の少女』

 スウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』(2008年)を観ました。録画BDを知人にお借りして。
 監督は、最近『裏切りのサーカス』でも話題になった方ですね。また本作の原作小説を基に、別監督でハリウッド版『モールス』(2010年)が作られました。『キック・アス』のヒット・ガール役が、エリに相当する役──名前が変えられてる──にキャスティングされて。

 あらすじから耽美的なものを想像してたけど、全然ちがいますねぇ。まあ、『トワイライト』シリーズみたいなもの──観てないし読んでないが──とも思ってませんでしたが(笑)。『吸血鬼ノスフェラトゥ』ほどじゃないけど、ヨーロッパ周縁の土着っぽさ(?)──いい意味の泥臭さを感じました。
 冒頭の主役(少年男子)の登場シーンに、ミスリードされました。金髪おかっぱで、色白の半裸姿が腋の下ワイドオープン(笑)。かつてスウェーデン人の美少年男子がフィーチャーされた、ヴィスコンティ『ベニスに死す』を思い出して。対するに、少年女子の(役柄とは言え)小汚いこと(笑)。役者自体も、おそらく子どもらしい可愛げや美少年女子ぶりに乏しそうだし。チャーミングでないわけじゃなく、「月影先生(『ガラスの仮面』)の子ども時代って、こんな感じだったかしら?」などと思わされるけど(笑)。
 最終クライマックス──旅立ち直前が、すんごい強烈(笑)。序盤の抑えた“採血”シーンからは、そうなるとは思えないような。ありうる二択の一方ではあるけど、まさに斜め上を行ってますねぇ。描写の工夫は、予算の都合──猫襲撃CGIのしょぼさから察するに──を忍ばせますけど(笑)。

 1980年代と思しい──ザ・クラッシュのポスターゆえに──、晩秋(?)のストックホルム近郊。主役は、12歳の中学生(?)男子。両親は離婚したらしく、母と二人暮らしの。同級生(と従属する二人)から苛めにあい、本気か否か殺意を心中に育てている。実際は為されるままであるも、部屋では独りナイフ(革製さや入り)を矯めつ眇めつ……。
 そんな主役の隣室(集合アパート?)に、同年代と思しい少年女子と父親らしき中年男性が引っ越してくる。そして夜のアパート前で、主役と女子は出会う。すでに雪が積もっているのに、半そでシャツと薄着で佇む女子。うす汚れ、よく見ると爪・指先も黒ずんでる。不潔臭もするようだ。だが主役は、そんな女子の言動に魅かれる。
 一方の中年は、夜の林(?)へと“採血”に出かけていた。しかし目撃されそうになり、ポリタンクなど一部道具と“ドナー”を残置し逃げ去る。部屋に戻った中年は、女子から一方的な叱責を受ける。どうやら、父と娘の関係ではないらしい。
 渇望に耐えかねた女子は、外出し自ら直接“採血”してしまう。しかしそれを、秘かに遠く目撃する住人がいた……。
 女子の“採血”に、今度は逆に抗議する中年。怒りつつも、独りドナーの処理へと赴く。後に女子と主役の交流を知るも、強く抗議することも出来ない。主役に嫉妬心をいだいているのか?それとも、自分の過去を見ているのか……。

# 副題の「200歳」を示すものが、劇中から見出せませんでした。卵みたいな宝飾品(?)で、それと分かるのかしら?それとも、原作には明示してあるのかしら……。

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