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2009年8月 3日 (月)

石ノ森章太郎『幻魔大戦 神話前夜の章・骸骨都市の章』

Genmataisen0102 石ノ森章太郎『幻魔大戦 神話前夜の章・骸骨都市の章』(秋田文庫)を読みました。
 前に紹介した漫画の、続編の一つですね。共作版『新幻魔大戦』後、1979~1980年に旧「リュウ」で、石ノ森さん単独により描かれました。
 その共作版『新幻魔大戦』も、10月9日に同文庫で発売予定だそうです。(そっちは、まったく読んだことない!)

 「神話前夜の章」は、411+218ページ。「骸骨都市の章」は、174ページ。前者は未来編で、後者は(連載時の)現代編。当時の扉絵(?)や、開始時の序文「はじめに」も収録されています。
 「神話前夜の章」は、沼正三『家畜人ヤプー』っぽくも感じられます。日本人が──というより全人類(?)が、知能を持たされた(?)猿人などより格下なんですけど……。

 石ノ森さん単独作とあって、とてもイマジナティブ。台詞無しの大ゴマ/見開きが、何ページも続いたり。まあ、オリジナル版との執筆時期の違いもあるかしらね。
 そして、とても非情。ノアールものと言ってもいいぐらいに。未来編も現代編も、文字通り殺伐としています。後半では、平井和正もどき作家も登場。チョイ役として(笑)。

 遠い未来の、歴史が失われた世界。月は砕けており、かつて地表に降りそそいだ(?)破片が、未だに時おり落下してきていた。
 日本列島であった島々では、ヒト達は頂点のマ族と使役動物に隷属していた。ある時、マ族の血を引くらしい双子の男児が生まれる。そのうちの一人ルーフ──マ族の特徴(尖り耳・黒目なし)が表れた男児は、マ城──マ族の城へと連れ去られてしまう。残された一人ジンは母と共に暮らし、同属からも蔑まれて成長する。マ族の子と噂され、「父(てて)なし子」と揶揄されて……。
 さらに時は流れ、離ればなれの双子も青年期を迎える。しかしルーフは、突然にマ族の特徴を無くしてしまう。マ城から追い出され、旅へと出るルーフ。ジンの方では、ある事件の際に、母親がマ族に殺されてしまう。そして、やはり旅へ出る。再会にいたるまで、幾多の彷徨を重ねる二人……。
 人類が虐げられた世界で、なぜマ族──支配種族の血を引く双子は生まれたのか?なぜ月は砕け、人類の歴史・文明は失われたのか?マ族とは何なのか?『幻魔大戦』の世界と、どういう繋がりを持った世界なのか?いくつもの謎を抱え、物語は進む──。

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