ファンタスティック・プラネット
アニメーション映画『ファンタスティック・プラネット』(1973年)を、初めて観ました。BS2でやってたので。
フランスとチェコの合作だそうです。尺は、1時間12分。
諸星大二郎の漫画のようなキャラクターが、絵本のような絵で動くアニメーションです。最初は動きが変だなと思いましたが──動きのつけ方が日本やアメリカと違うから?──、途中から引き込まれて気にならなくなりました。いや、味わい深く感じられました。
地球じゃないどこかの惑星。そこでの人間──地球人類(?)は、ある宇宙人(人間を、掌に載せられるほどの大きさである。人型で、第一印象は青い半魚人)にとって動物に等しい存在だった。いまの人間にとっての犬のような存在で、ペットなどとして飼われる人間がいたり、野生化して害獣として駆除される人間がいたり。
宇宙人の女の子に飼われていたある人間の男の子(主役)は、宇宙人の学習機械──カチューシャ型の脳に直接知識を流し込む機械──で、学習することを覚える。知識を蓄えた男の子は、学習機械を持って(引きずって)脱走してしまう。
脱走した男の子は、野生の人間たちに合流する。学習機械を使って人々に知識を広め、ますます野生の人間は数を増やし始めた。人間の害に業を煮やした宇宙人は、人間の大規模な駆除に乗り出すが──。
といったお話です。
宇宙人たちは、高度な科学的・知的・精神的文化を持ってるようです。頻繁に瞑想し、少数代議制議会を持ち、思慮深くあります。宇宙人の文化・その惑星の動物など、わたしたちが知るものと違えようとし考えられた描写が面白いです。人間たちに対する、宇宙人の最後の決断も面白かった。
さすがフランスですね。こんな芸術的かつ知的な長編アニメーション、日本では──ましてやアメリカでも──当時もいまも商業ベースに乗せられませんね。あらすじを記すと凡庸な感じですが、その絵と細かい世界のディティールに引き込まれました。
| 固定リンク
« RIDEBACK 8 | トップページ | ケイナ »


コメント
私は中学だったか高校生のころ、地元大学の学園祭での自主上映で初めて見ました。あの年頃の映画・アニメ好きにはかなりの衝撃でしたね。その後しばらく見たことないので、当時は多分ビデオも出てなかったと思います。随分経ってようやくレンタルで見かけたときはほんとに嬉しかったです。
その後ありがたいことにルネ・ラルーの他の長編「時の支配者」「ガンダーラ」もそこそこ大きなスクリーンで見られました。こちらもおもしろかったですが、「ファンタスティック・プラネット」はやはりあのキャラ、映像の印象も強いので一番印象的です。後の二つはこれと比べるとどうしても作画的にあっさりめなので(美しい映像も出るのですが絵画的ではない)。まあ「ファンタ」のデザインをしたローラン・トポールの異色さとを他と比べるのは酷ですが。
「時の支配者」は一応まっとうにSF的スペクタクルとオチのある、「ファンタ」に比べると普通にSF映画(「ファンタ」も話だけ見ると普通にSF。原作者は同じ)。メビウスの絵だということで「ファンタ」とは別の見応えはあります。「ガンダーラ」は世界観とか見せ方とかは「ファンタ」に負けず劣らずの異世界でまさにファンタスティック。鉄の人間たちの行進は怖いです。話は結局これかという感じですが。
というわけで、「ファンタ」が気に入ったなら二つとも一応お薦めです。おフランスなちょっと冗長な感じはあるので、眠いときは見ないように(笑)
Amazon見ると、ルネ・ラルーのDVD-BOXのセットが出てますね。短編集も全部入なのでお得といえばお得ですが、「ファンタ」以外もコレクションしたいかどうかは人によって違うでしょうから一度見てからのほうがいいでしょうね……。個人的には、余裕があればいいけど余裕なければ「ファンタ」と短編集だけ。
ルネ・ラルーのアニメーションが気に入ったなら、アメリカのヘビメタアニメーション「ヘヴィメタル」もお薦めです。うちにある唯一のヘビメタ系映画。アダルトアメコミが原作で濃いのですが、オムニバスなので各話で味わいが多少違ってて、ある意味上の二つよりもおもしろいかなと。Amazon今見たらDVD、2千円! LDもちっと高かったんだけどなぁ……。
投稿: やずみ | 2007年7月16日 (月) 01時30分
やずみさん、いらっしゃいませ。
うーん、わたしが中学生だったら、楽しんで観れてたかしら?少なくとも、アニメ映画『幻魔大戦』よりは、楽しんだろうとは思いますけど……(笑)。
DVD-BOX、ゆかねばなりませんね(自己責任で)。短編の『かたつむり』は絵だけチラッと見たような気もしますが、内容は全く知りませんし。
少し間を空けてから、じっくり観たいと思います。充分に睡眠をとって。
教えてくださり、ありがとうございました。
『ヘヴィメタル』は、考えさせてください(笑)。
日本公開時に「腰を三回(?)以上動かしていたので“ぼかし”が入った」とかを、雑誌で読んだことがありました。その“ぼかし”キャプチャー写真が、目に焼きついてしまっていて……。
投稿: 翡翠 | 2007年7月16日 (月) 21時36分
えー、「ファンタスティック・プラネット」を見て絶賛する中学生がいたら、それはそれで引かれるかも(笑)。私はこれを一人で見たので、アニメ見てた友人らと特にこれについて話した覚えはないしなぁ。はて、大学のころなら誰かと話したかもしれないけど、覚えてません。
普通の?映画なら深夜に放送された「去年マリエンバートで」を同じ寮の友人と大絶賛して湧いたものでしたが(若かったあのころ)。DVD再販されないかなぁ。
ルネ・ラルーの長編三作は、「ファンタ」はスクリーンで見られるなら1本で2千円以上3千円以下でもまったく気になりませんが、他の二作は何かと一緒でないと微妙ってことは書いておきます(笑)。私は西欧アニメーション数本集めた上映会で見ました(一日5時間以上で、多分1600~2000円)。
「ヘヴィメタル」、そんな話が(笑)
まあ私も一人で見に行ったのですが、ちょっと迷いましたね(……たしか公開したのって高校のころ……)。でも内容はそんなにあっち方向に凄い話とは思わなかったです。個人的にはエロチックな女戦士タルナの話よりタクシードライバー未来系のハリー・キャラハンの話がよかったですね。ヨレヨレの格好と絵柄がなんとも。
投稿: やずみ | 2007年7月17日 (火) 02時15分