2009年11月11日 (水)

鋼の錬金術師1~10

Hagaren0110 荒川弘『鋼の錬金術師1~10』(ガンガンコミックス)を読みました。知人にお借りして。
 アニメ版も観たことなく、漫画も初めて読みました。

 ウェルメイドで面白いですね。"sense of wonder"は無いけど。
 と言うか、簡素かつ端正な絵柄および随所に現れる軽妙な笑いが、エッジも露悪も丸めてしまってるんですね。良くも悪くも。それゆえにグロテスクさ──第二巻の人獣合成のような──で拒絶されず、錬金術のような擬似科学をも読みおおさせてしまう。しかし読みやすさと引きかえに、良い蠱毒も減殺されてしまうという──。

 10巻まで読む限り、円形の国土を召喚陣に見立ててるんですかね。黒幕組織は。それゆえ適時要所で量的な“贄”たる争乱を起こし、最後に質的な楔を打ち込む「人柱」を用意してるという──。
 本作でいう「真理」とは、「根源」や「アカシックレコード」なのでしょう。しかし漫画で描写されると、やはり陳腐に感じてしまいますねぇ。その絵柄もあってか。映像だったら、『2001年宇宙の旅』みたいな抽象イメージでごまかせますが(笑)。

# エドは何故、利き腕の右を犠牲にしたのかしら。左脚を無くしたので、身体バランスの問題かしら?等価交換とは思えんし……。

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2009年11月 9日 (月)

ルーシーの子どもたち

Lucyschildren SOUL FLOWER UNION『ルーシーの子どもたち』を聴きました。
 前に紹介しているバンドの、七月に出たシングルです。

ソウル・フラワー・ユニオン ニューシングル「ルーシーの子どもたち」 SPECIAL CONTENTS
http://www.breast.co.jp/soulflower/special/lucy-s_children/
web Rooftop ソウル・フラワー・ユニオン('09年8月号)
http://rooftop.seesaa.net/article/125133644.html

 スタジオ録音三曲と、ライヴ録音四曲(+タイトル曲のカラオケ)。
 スタジオ録音は、タイトル曲とジゲンさん(ベース)が主唱する「秋田音頭」。そして、前アルバム収録曲「パレスチナ」の新ミックス。
 ライヴ録音は、どれを何時・どこで録ったのか分かりません。ニューエスト時代からの二曲と、近年SFUからの一曲。加えて元メンバー“うつみようこ”さんがイギリス語で唄う、「ミシシッピ・ガッデム」のカヴァー。アメリカ公民権運動の、抵抗歌だったという。

 タイトル曲は、明示的メッセージは無いと思しき新曲。SFUロックンロール(ホーン入り)だけど、あんまり乗れなかったなー。「ルーシー」とは、あのアウストラロピテクスのこと。かと言って、「人類みな兄弟」みたいなことは唄ってません。
 民謡の「秋田音頭」は、三味線も入ったロック編曲。ジゲンさんの歌が、大変はまってました。

 持ち歌のライヴ録音は、いつもの如く良し。奥野さんの鍵盤が最高!
 うつみようこさんの歌唱は、あい変らずパンチが効いてて、ソウルフルでカッコ良かった!今年見たニュース番組では、銭湯ライヴに呼ばれて唄ってたけど(笑)。

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2009年11月 8日 (日)

<共和国>はグローバル化を超えられるか

Republicandglobalization J=P・シュヴェヌマン 樋口陽一 三浦信孝『<共和国>はグローバル化を超えられるか』(平凡社新書)を読みました。
 シュヴェヌマン氏は、フランス共和国の閣僚歴任者だそうな。その氏と樋口陽一さん(憲法学者)の公開討論「第五共和制五〇年と<共和国>のゆくえ」──2008年12月に日仏文化会館(恵比寿)で催された──の載録を中心に、二氏と三浦信孝さん(司会を努めたフランス研究者)の事前後の文章を掲載したものです。

 大きな新発見は無かったけど──現在フランスが第五共和制とは知らなかったが(笑)──、もろもろの再認識・再確認などがありました。
●「日本国」は立憲君主制ではない
 戦後の天皇は象徴であり、(権能の如何を問わず)正式の元首ではない。よって、立憲君主制ではないと。
●「市民」とは何か
 フランス革命を起源として定義すると、「市民とは、感受性を備え、さまざまな欲望や欲求をもち、自然権を享受する個人であるだけでなく、一般意思すなわち法の形成に参加する義務を意識した理性的個人である。」(P.74)なんだそうな。
●大臣というのは、口を閉ざすものだ
 シュヴェヌマン氏いわく、「大臣というのは、口を閉ざすものだ。口を開きたい時には辞任する」(P.90)だそう。閣内不一致の意見があるならば、辞職してから言うべきだと。
 それで三回も、閣僚辞任したんだそうな。
●初等教育の最重視
 「他人の助けを借りないで自分の頭で考え自分で判断できる能力を子供の中に植えつける」(P.95)ことだそう。
 ゆえに小学校教師は、「人為的に作成する人」の意で呼ばれるそうな。
●株主/市場主権のグローバル経済
 シュヴェヌマン氏いわく、「金融市場は人類の歴史の地平にはなりえない」(P.133)。
●「共和国」とは何か
 「あらゆる教条(ドグマ)の支配から自由な共通の空間における市民間の討議のこと」(P.211)だそうな。
●ただ乗り
 より日本に即した(?)樋口さんの率直な懸念──「自由な社会はただ乗りを許容する。」(P.211)。イエーリングの言を借り、千人の社会で百人・五百人がただ乗りしたら、乗るべき本体が無くなってしまうのではないかと。
 「市民」が大半を占めない「共和国」たりえない民主的な国は、ただ乗りを常態として認められないのではないかと……。(だから日本は、生活保護要件などが厳しい……訳ではなかろうが)

 日本が「共和国」になるのは、難しそうだねぇ。他者の主張を理解して、議論できないんだから……。
 目に見える(本来は)知的エリートの場──国会などが「共和国」たりえていれば、まだいいんですけど。「前提」と「演繹過程」を弁別し、(情緒ではなく)哲学をもって理解/主張できないんだから。

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2009年11月 6日 (金)

カブのイサキ2

Kabunoisaki02 芦奈野ひとし『カブのイサキ2』(アフタヌーンKC)を読みました。
 前に紹介した漫画の最新巻です。

 ピッツ・スペシャル(?)を駆る、新キャラクターが登場。イサキと同年代らしい、体内の排水タンクが小さい(笑)少女が。
 木更津に住む、黒髪ショートの少女。イサキに好意を持った様で、恋愛方面の展開があるかも(笑)。
 登場する木更津の巨大空港は、自衛隊基地址かしらねぇ。イサキらが居る横須賀市長井(相模湾側)の北にも、いまは自衛隊基地がありますが……。

 ピッツとは、アエロバティックス(曲技飛行)の上級機だそうな。離着陸が難しいんだとか。対する主役機(?)のパイパー・スーパーカブは、操縦性・安定性に優れた、素直な名機なんだそうな。「のんびり飛びたい時にお勧め。」──「シュナイダー6」(ネコ・パブリッシング)によると──だとか(笑)。

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2009年11月 4日 (水)

ゾティーク幻妖怪異譚

Zothique クラーク・アシュトン・スミス『ゾティーク幻妖怪異譚』(創元推理文庫)を読みました。創元社の出版物、買うの初めてかも(笑)。
 1932~1953年に発表された、地球最後の大陸「ゾティーク」を舞台とした物語。詩(巻頭の一篇)および小説16篇からなっています。作者はラヴクラフトと親交があり、「クトゥルフ神話」ものも書いたんだそうな。

ゾティーク幻妖怪異譚 - クラーク・アシュトン・スミス/大瀧啓裕 訳|東京創元社
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488541026

 すごく良かった。久方ぶりに、小説を読んで得したと思いました。
 簡潔にして流麗な文章。(解説を除き)約410ページで、翻訳ものとあって文字がぎっしり。読了まで相応に時間かかりますが、すんなりと読み下せる文章でした。文章で衒っている、(初期は除いた)『吸血鬼ハンターD』シリーズより読みやすい。翻訳も良いんでしょうね。
 「ゾティーク」全作品──収録17篇のタイトルは、下記のとおり。これらタイトルの二・三個以上にピンと来たら──気になったら、断然お勧めいたします(笑)。

「ゾティーク」
「降霊術師の帝国」
「拷問者の島」
「死体安置所の神」
「暗黒の魔像」
「エウウォラン王の航海」
「地下納骨所に巣を張るもの」
「墓の落とし子」
「ウルアの妖術」
「クセートゥラ」
「最後の象形文字」
「ナートの降霊術」
「プトゥームの黒人の大修道院長」
「イラロタの死」
「アドムファの庭園」
「蟹の支配者」
「モルテュッラ」

 はるか未来(?)の、太陽の輝きが弱まった世界。現在の東アフリカから南アジアに及ぶインド洋沿岸“弧”の地域やインドネシア群島が合わさって、地球最後の大陸「ゾティーク」が形成されていた。周りには島々もあり、(物語には出てこないが)南には現在とは別のオーストラリア島もあるらしい。
 現在の宗教は忘れ去られ、科学工業文化は微塵も無くなっていた。陸上は馬など、海上はガレーなどが移動手段。火薬も存在せず、武器・兵器はヨーロッパ中世以前の状態だった。
 科学文明の忘却に反比例して──弱まる太陽に比例してか、代わってゾティークでは魔術の長い歴史が積み上げられていた。誰もが能くはしないが、一部の人々/地域においては。
 なおも忌まわしいとされる降霊術(≒死体復活術)を、隠然と行う者もいた。あるいは、公然と行われる地もあった……。

 「降霊術師の帝国」は、あっさり淡々とした感じ。開幕の小説とあってか。二篇目の小説からはビンビン。「これで終わり?」ってのもあるけど(笑)。
 少なからぬ陰惨な描写・悲惨な展開も、こけおどしではない無駄を排した文章が素敵です。プロットは、さほど凝ってはいませんけどね。時には、起承転結をなしてなかったり。
 でも、いいんですねぇ。各文・各篇・全編、すべてが幻妖を綾なしていて。

 とか言いながら今まで、本格(?)幻想怪奇小説を読んだことがありません。それっぽいので読んだのは、小林泰三『玩具修理者』(←「クトゥルフ神話」風味?)とクリス・エヴァンス『鉄(くろがね)のエルフ』ぐらいかしら。有名どころはキング(の一部?)や「クトゥルフ神話」ものでしょうが(日本なら江戸川乱歩も?)、いずれも量が多くて手を出しにくいしね(笑)。
 でも、フィッツ=ジェイムズ・オブライエン『金剛石のレンズ』は読みたいです。『ゾティーク幻妖怪異譚』の翻訳者が、昨年に訳出されたものらしいので……。

金剛石のレンズ - フィッツ=ジェイムズ・オブライエン/大瀧啓裕 訳|東京創元社
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488538026

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2009年11月 2日 (月)

批評のジェノサイズ

Genoscytheofcriticism 宇野常寛 更科修一郎『サブカルチャー最終審判 批評のジェノサイズ』(サイゾー)を読みました。
 前に紹介した批評家の宇野さんと、その師匠筋(?)の方──宮台真司・東浩紀の両氏らだけじゃないのね──との対談本。月刊「サイゾー」の連載記事(2008年6月~2009年6月)を基に、あとがきを含む2.5ヶ月分ぐらいの新規コンテンツが加えられた。

月刊サイゾー、自爆誤爆連載『サブカルチャー最終審判』ついに書籍化&発売! - 日刊サイゾー
http://www.cyzo.com/2009/10/post_2987.html

 対談本とあって、『ゼロ年代の想像力』より大らか。ざっくばらんに、毒舌も吐かれています。「COMICリュウ」を、「加齢臭がキツすぎる」「中年オタクホイホイ」「豪華な老人ホーム」などと(笑)。
 説明の流れ上で、作品名の羅列が続いたりもします。しかし例示される物語群から、わたしが広く作品/番組/媒体を鑑賞していないのを痛感しました。アニメ、TVドラマ、(主に近年の日本)映画、ラヂオ、雑誌、ブンガクなどなど……。別に、いいけど(笑)。

 追加コンテンツは、「特別対談 AD2019サブカルチャー最終審判」。更科さんは2012年にロンドンでテロル巻き添え死していて、2019年にイタコに呼び出されたという体で。
 ネタとしては楽しめました。「タモリ倶楽部」が、「半田健人倶楽部」に引き継がれたとか(笑)。

 内容面で言えば、あい変らず身体性が薄いですねぇ。あと、自分の身の回り・趣味性を越えたシビアな現実が眼中に無い点もね。雨宮処凛さんを、ヒガミ系と切って捨てるだけだったり。
 まあ著者が近親憎悪をいだく(?)ような、自己や狭いコミュニケーションに汲々としている人向けの本なんでしょうね。「中間共同体」云々とか。
 「どっぷりと一つのコミュニティにだけに浸からず、複数にリスク分散しろ」なる旨は、投資アドヴァイスかよ!って思っちゃいます。でも、首肯する人もいるんだろうなあ……。

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2009年11月 1日 (日)

マガジンメイト 森はるか

Magazinematemoriharuka 森はるかのグラヴィアDVD『マガジンメイト 森はるか』(本編54分+特典映像5分)を観ました。
 2008年11月に出た、一枚目のDVDだそうな。二枚目も出ていて、10月に三枚目も出ました。

リバプール発!旬のアイドル&アニメDVD続々リリース!-マガジンメイト 森はるか
http://www.liverp.co.jp/library/mori0811.html
望月美寿々、森はるかDVD『マガジンメイト』発売記念イベント [スクランブルエッグon the Web]
http://www.scramble-egg.com/artist/missmagazine/20081206mate01.htm

 森さん自身は良かった。DVD自体は、「ミスマガジン」系の鬱陶しさ──キラーン・シャキーンみたいな効果音やスローモーションが多用される──が有りましたけど。
 シーンは、海など動きのある屋外のが良かった。屋内シーンの黒い下着姿も素敵だったけど、(演出意図で?)動きが乏しいのが残念でした。

 森さん、静止画だけ見ると顔がいまいちに感じられます。でも、映像だとチャーミング。関西出身で、トークでの親しみやすさがイメージシーンでも柔らかさとして──鬱陶しさとしてではなく──出ています。
 同じく関西出身でトーク時は雰囲気が良くても、イメージシーンでは表情・動きがいまいち……って人もいますからねぇ。

 少し垂れ目のタヌキ顔で、白石美帆さんをふっくらさせたような感じ。ちょっとアヒル口。やわらかい関西弁も良いです。
 ビキニ上をきつくフィットさせない、やわらかそうな巨乳も良し(笑)。骨盤が広く張っていて、巨乳と相まって見事なくびれ。くびれ部だけでなく、腹部前面も引き締まっています。
 脚のみが、心持ち残念。おそらく然程は短くはないのですが、骨盤の広さや膝・足首の太さと相まって、割りと短めに見えてしまいます……。

 マネージャーとして「ミスマガジン」オーディション会場に行き、そこで講談社の偉いさんからエントリーを薦められたんだそうな。タレント業と並行して、いまもマネージャー業をしているそう。DVDエンドロールには別のマネージャー名が載っていて、タレント時は自己マネージメントしないみたい(笑)。
 Q&Aシーンもちょくちょく入り、おもしろかったです。自称「美黒」。現事務所に裏方として入る前は、短大卒で厨房機器(!)の営業をしていたそうな。

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2009年10月30日 (金)

ミカるんX4

Mikarunx04 高遠るい『ミカるんX4』(チャンピオンREDコミックス)を読みました。
 前に紹介している漫画の最新巻です。

 第一期完と称した連載終了かと思ったら、第二期が始まりましたね。
 るんなとウサウサ航海者の関係は、いまいち分からなかったなー。人間に変身してたんじゃないのか。

 第一期最後の必殺技は、元気玉みたいでした。初めてじゃないけど、あの世から甦るのも……。
 しかし、るんなは何で故郷中学のセーラー服のままなんだろう?ミカの趣味で、高校制服に変えさせてもらえないのかしら?(笑)
 第二期序章は、いきなり「はっ 裸で無職ですわああ~~」なる名言が出ました。ぜひとも、山本麻里安さんの声で聴きたいです(笑)。

 あと、下乳ビキニ女──着エロのグラヴィア・アイドルみたいな──が出てきましたねぇ……。
 そんな高遠さんが、「週刊マンガ日本史」5号で鑑真を描くんですねぇ……。(その号だけ読みたいな)

朝日新聞出版 最新刊行物 週刊 マンガ日本史
http://publications.asahi.com/manga/

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2009年10月29日 (木)

吸血鬼ハンター21 D-魔性馬車

D21 菊地秀行『D-魔性馬車』(朝日文庫ソノラマセレクション)を読みました。前に紹介している小説の最新巻です。

 西部劇『駅馬車』を、意識されたそうです。西部劇であるかは兎も角、ちょっと薄いかなあ。どのゲスト人物もだけど、特にボス──貴族(吸血鬼)が。『D』史上、最も耽美的な貴族かもしれませんが……。
 今回は、「貴族ハンター」なる語彙が多用されていました。「吸血鬼ハンター」ではなく。過去に使ってたかしら?

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2009年10月27日 (火)

秋日和

 日本映画『秋日和』(1960年)を観ました。BS2でやっていたので。
 前に紹介している小津安二郎さん監督の映画ですね。

 『晩春』の同工異曲です。前は娘役だった原節子さんが、母親を演じていますが。
 もう一人の主役である娘は、司葉子さんが演じてます。役では25歳で、現代的スレンダーで素敵!ルックスだけなら、オードリー・ヘップバーンにも負けてないね(笑)。

 おもしろい。中年三人組──主役(母)の亡夫の友人たちが、時代性もあってか下種いけど(笑)。
 製作者が自覚的な(?)下種さで、登場人物の思惑どおりにいきません。主役(娘)の友人──岡田茉莉子さん演ずる──の闊達さとともに、それが清涼剤(?)ではあります。
 その『浮草』とは違う下世話さもあり、最初から最後まで楽しかった。原節子さんは、名実ともに笠智衆さんの代わりとなっていたし……。(笠智衆さんはチョイ役)

 仲の良い、二人暮らしの母と娘。母は服飾学校で講師をし、娘は会社事務員(?)をしていた。父は死没していて、その七周忌が催される。
 七周忌には、亡夫と昔なじみの友人三人も来ていた。その三人も、母を結婚前から知っていた──かつて好意をいだいていたのだ。それはそれとて三人は、美しく成長した娘の縁組みを相談し始める。気立ても良く25歳という年齢も相まって、縁戚者でもないのに熱心になる三人……。
 しかし娘には、寡婦である母を独り残してゆく気は無かった。三人中の一人が紹介しようとしたその部下と、別ルートで仲良くするようになった後でも。恋愛と結婚は、別の問題であると──。
 そこで三人は、娘の後顧を断つために、母の方の再婚縁組みを相談し始める。三人中の、一人いる寡夫はどうかと。
 だが母に具体的に話さないうちに、その目論見が娘に伝わってしまう。娘は母に反発を感じ、一方的に仲たがいしてしまう……。

# 小津安二郎さんは、女子学生の集団が好きなのかしら?六作しか観てないけど、男子学生の集団は出てこないので。女子学生集団は、よく出るけど……(笑)。

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